家庭用ビデオカメラのCMに物申す

 運動会をビデオカメラに録るのはいい。しかしインターネットで公開するのは、万人にはおすすめできない。


 まず、家族の十分な了承がないと難しいだろう。特にインターネット文化に疎い人はとかくわからないものに反対したり、我々からすれば何でもないことに取り越し苦労しがちだ。息子や娘を魑魅魍魎の跋扈する(得体の知れない怪しい人の多い)ネットで公開するなんて、と反対されることも結構多いだろう。


 しかし冷静に考えてみると、成る程、運動会ではたまに、家族や関係者でもないのにビデオカメラを回している変態オヤジが来るという(何が目当てなのかは推して知るべし)。この話を聞くと、家族のプライベートなビデオを公開するにしても、少々警戒した方がよいのではと思えてくる。


 それでも比較的内輪の範囲でまったり楽しんでいるうちは、特に問題もあまりないだろう。しかし最大の問題は、どうもこのCMの家族は息子をネットヒーローに仕立てたがってるらしいということである。ネットの有名人は有名人税を支払わねばならない。ヒーローには栄光の陰につらい苦労があるのだ。2ちゃんねるでからかわれたり叩かれたりした時に、せいぜい十分対処できるようにしておけよ、とだけは忠告しておく。


 こんな理由から、どうもこのソニーのCMは現実離れしているような気がしてしょうがない。その点、Appleの、ビデオカメラで録画したホームビデオをDVDに焼いてじっちゃんばっちゃんに送るあのCMはむしろ現実的に見えてくる。DVDが自分で作れる時代は意外と早くやってきた。あとはドライブもメディアも、もうちょっと安くなってくれればよいのだが。