宣伝?批判?いいえ、大学の授業みたいな宗教論。「正かなづかひ 理論と實踐」第2号

全頁歴史的かなづかひの同人誌「正かなづかひ 理論と實踐」の第2号を、先日、印刷所に入稿しました。
下記のイベントで頒布します。

第十四回文学フリマ

日時:2012/05/06(日)
場所:東京流通センター(TRC)
スペースNo:エ-37

関西コミティア40

日時:2012/05/13(日)
場所:OMMビル(大阪マーチャンダイズ・マート) 2階A・B・Cホール
スペースNo:B-43,44

頒布物

  1. 「正かなづかひ 理論と實踐(じっせん)」第2号 1,200円イベント特価 1,000円
  2. 国語問題 ――歴史的かなづかひについて―― (頒価未定) ※
  3. 「蟹と正かなづかひの同人誌」 (頒価未定) ※
  4. 「猫と正かなづかひの同人誌」 500円 ※
  5. 「おもちくんとすまいるくん」 300円 ※
  6. 萌えぎのエレン著「(題名未定)」 (頒価未定)
  7. 「正かなづかひ 理論と實踐(じっせん)」創刊号 1,100円イベント特価 1,000円
  8. しゅりんぷ詩舎発行「シュリンプ 第11号」 800円
  9. マイマイ同人誌☆制作委員会著「防府にイマココ!」 400円イベント特価 300円 本文カラー(一部ページ除く)/B5/28ページ
  10. 萌えぎのエレン著「ひきこもりのアイドル論」 300円
  11. 萌えぎのエレン著「はてな☆オタク」 300円 表紙カラー、本文白黒/A5/28ページ
  12. 萌えぎのエレン著「萌えはお菓子」 300円 表紙カラー、本文白黒/A5/28ページ
  13. 「どうしてカノジョをつくろうとしないの?」 400円在庫限り! 300円 表紙カラー、本文白黒/B5/36ページ
  14. 「どうして女の子のイラストばかり描くの?」 400円在庫限り! 300円 表紙カラー、本文白黒/B5/36ページ
  15. おもちクリーチャー缶バッジ 各100円
  16. くまちゃん&おは幼女缶バッジ 各100円

※の附いた冊子は、サークル「書肆言葉言葉言葉」(文学フリマでは隣接サークルです)の発行物ですが、関西コミティアや通販では「はなごよみ」で委託頒布します。尚、どの頒布物も全年齢向です。

「正かなづかひ 理論と實踐」第2号のテーマは「正義と宗教」

 と聞いて、一瞬身構へた人もゐるのではないでせうか。
 こゝで質問を出します。皆さんは、以下の文章に「良いイメージ」と「悪いイメージ」のどちらを抱きますか。

  1. 「その『サイドビジネス』の説明会は、まるで宗教だつた」
  2. 「その男は、まるで宗教家のやうに、ゆつくりと語り始めた」

 恐らく、前者は悪いイメージ、つまり「マルチ商法」のやうに怪しくて人を騙すグループなのだな、といふ印象を持つたかも知れません。それに対し後者は、同じ「宗教」といふ言葉でありながらも、「きつとお坊さんや牧師さんのやうに穏やかな語り口なのだな」といふ印象を与へる文章かも知れません。「まるで神だ」といふ言葉も、人の能力や行動を賞讃する時に用ゐられます。
 今の世の中、「宗教」といふと「何だか怪しい」とか「人を騙して金を巻き上げる」みたいな印象で語られる事が多くなつてきましたが、それだけで簡単に結論を出して良いでせうか。宗教の良い面、宗教から学べる面があるでせうか。
 また、「政治と宗教とプロ野球原発の話は揉めがち」だと云はれますが、だからと云つて簡単に諦めないのが私です。監修者の野嵜氏の「次回のテーマは『正義と宗教』にしたい」と云ふリクエストを聞いて、それを採用するにしても、どんな方向性で構成するか、だいぶ悩みましたが、野嵜氏はじめ多くの方の助けを借りながら、やうやく作り上げる事ができたやうに思ひます。


 今回は、様々な方が集まりました。日本古来の神道について語れる人。仏教に詳しい人。キリスト教の歴史や、それに影響された西欧思想や、神学がそれぞれ得意分野の人。不思議な事に、無神論者や宗教に全く批判的な立場の人は殆ど来ずに、古来からの伝統的な宗教を擁護する考への人が多く集まつて、しかも宗教団体の機関誌的ではなく、まるで大学の講義のやうにアカデミック(学術的)な雰囲気なのが何だか不思議です。
 なほ、今回は絵文録ことのは松永英明さんが、私や野嵜氏の無理な?リクエストにも拘らず、「単なる興味本位ではなく真面目であれば」と応じてくださり、かつて、とある宗教団体に属してゐた時の体験談や、後にその団体を去るまでの自身の心境の変化等を随筆としてまとめてくださいました。諸般の事情があつて内容見本には載せてゐませんが、かなり読み応へのある記事です。
 また、「仮名遣ひおよび字体の可読性に関する調査」は、一般的な日本人が「歴史的かなづかひ」や、いはゆる「旧字体」をどこまで読めるか、どんな印象を持つてゐるのかについて調べてゐます。漢字全廃・表音式仮名遣を恐怖政治の力で押しつける世界を描いた小説「ニッシャのもとに集へ!!」も興味深く読みましたし、皆さんにもお薦めします。

表紙


野嵜貴子さんが可愛いイラストを描いてくださいました。

試し読み

内容見本