コミックマーケット75 サークル参加初体験!(前編)

 平日は朝から晩まで仕事に追われ、休日は体調を崩して寝込んで……の合間を縫って少しずつ原稿を書いたり、解説用イラストを描いたり。そして、ページ数が3の倍数…ではなくて4の倍数になるように埋草的なコラムを急遽書き足したり。
 結局、原稿が完成したのは前日の朝。レーザープリンタに15部とか20部ずつ印刷してはその傍らで製本して、製本が終わると今度はPOPや値札をにわかごしらえで作成して……
 プリンタに両面印刷ユニットを前もって付けておいたのは大正解。裏を刷るために方向を気にしながら用紙をセットし直す手間が省けるのは大いに助かります。加えて、このプリンタは両面印刷ユニットがあると、B5の原稿をB4用紙の左右にページを考慮して自動的に振り分けてくれる機能が使えるのも非常に助かります。B4用紙に印刷した後は、紙の中央をつるの長いホチキスかタテ・ヨコホチキスで留めて、半分に折って、最後に乱丁・落丁がないか一応全数チェックすれば完成です。
 注意点としては、Microsoft Wordで印刷すると「部単位で印刷」のオプションがデフォルトなので、これで何十部も刷ろうとすると、スプールデータの作成だけで十何分もかかってしまい、印刷もかなり遅くなってしまいます。ページ毎にまとめて刷った紙を手作業でソートする手間がよけいにかかる事を考えても、このオプションをオフにした方が、印刷が速くなって断然効率がよくなります。

 加えて言うなら、表紙にはカラーの紙を使うと、製本作業で一部ずつの区切りがわかりやすくなるので、非常に効率が良くなります。陳列時に表紙が目立つようにと取り入れた方法でしたが、うれしい副作用です。加えて、コピー本にはコピー本の良さがあります。表紙は一種類だけではなく、違う色の紙を使って色違いを何種類か作る、なんて事は、コピー本だからこそ簡単にできるテクニックです。
 さて、頒布価格はどうするか。実を言うと、値段が決定したのはその日の夜でした。私のスペースへ委託&店番のお手伝いのエレンさんと、実際の見本誌を見ながら決定することに。私の方がB5版で300円、エレンさんのがA5版で200円。500円玉できりがよいからと両方買ってくれる人もいるかもしれません。

結構手間取る設営作業

 さて待ちに待った30日当日。時刻は7時台前半。待ち合わせ場所にした、大崎駅構内の「憩いの広場」は、意外なことに、かなり空いていました。私と、店番を手伝ってくれるエレンさんと斧屋さんは、りんかい線国際展示場駅へ。駅も電車内も混雑していたとは言え、殺人的混雑度ではなかったし、人の流れもとてもスムーズでした。
 駅を出ると、真っ先に目にしたのが、「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし」どころではないほど、とにかく長い長い長い行列。どこかの人気サークルの待ち行列のようでした。あんなに大勢ぶああぁぁぁっといるのに、みんなおとなしい羊の群れのように並んでいて、暴動も起こらないのが不思議なくらいです。
 サークル参加者の順路はその列のとなり。列で待って…などでもなく、普通に歩けます。それにしても、私たちと同じサークル参加者の何と多いこと。お隣が羊の群れなら、こちらは蟻たちの長い行列行進のごとし、でした。
 この時間は、いつも一般入場している正門にサークルスタッフがいて、入場するサークル参加者から通行証を回収していました。通行証をエレンさんと斧屋さんに見せると、「まるでコンサートチケットみたいだ」との感想。エレンさんの話によると、昔は、今みたいな偽造防止のためのホログラムもなく、もっと簡単な印刷だったそうです。
 中に入ると、人が多いとはいえ、流れはスムーズです。夏に一般参加した時は、(例のエスカレータ故障に加えて、今Hotな人気の「東方Project」関連のサークルが多かったために)混雑してサウナ並の蒸し風呂状態を1時間かけて死ぬ思いで到着した、西館への道のりが、今はたった数分。「空いていると、こんなに近かったのか!」と、改めて驚かされました。(蛇足ながら、エスカレータ故障は、まだ直ってないようでした。残念。)
 サークルスペースに到着すると、まず驚いたのが、チラシの山。ほとんどが印刷所とか他の同人誌即売会の宣伝のようでしたが、なにぶん量が多くて、10cmくらいはありそうでした。これにはたまげました。
 あとは、限られたスペースの中で、荷物を解いて、テーブル掛けを敷いて、宣伝用のPOPスタンドを立てたりPOPを飾ったり、頒布物を陳列したり釣り銭を用意したり。いろんな物を固定するのに、両面テープが大活躍です。POPも、とにかく目立つことが先決ですから、POPスタンドがあると遠くからもよくわかりそうです。

 私が常々感じているのが、「サークルスペースの番地がわからなくなる事がある」「サークルスペースに、サークルのサイトで見慣れたキャラクターやマークなどがあると、途端に見つけやすくなる」事の二つ。たとえば番地が「つ-18a」だとすると、スタッフの方で用意してくれた「つ」のサインがあちこちにあるのでわかりますが、「18a」という細かい番地の「表札」まではありません。サークル参加者が「表札」を用意する義務はないらしいので、結構小さく書かれているとか、書かれてない事さえ多いくらいです。
 そこで、お客さんの便宜を図るためにも、番地を大きく印刷したPOPを飾ることで、うちのサークルをチェックしているお客さんでなくとも、番地を確認したい人に役立てようという試みです。ひょっとしたら、そこに視線がいくことで、頒布物も見てくれるかもしれません。加えて、私の「はてな」でのシンボルマークであるくまちゃんマークがあると、はてなハイクやダイアリーの常連さんあたりにはピンと来るでしょうし、一度来たけどまた気になって戻って来ようとしている人にも、いい目印になるでしょう。
 釣り銭も必要です。硬貨の収納には、意外と100円ショップの硬貨ケースが便利なものです。まったり小規模にやってるサークルだと、受け取ったお金も釣銭も一緒に小さな缶ケースに入れて、釣銭を出す時にはその缶からジャラジャラと探して…なんて光景もよく見かけて、それもそれで家庭的ほのぼの感が感じられて良いのですが、硬貨の種類別に収納できるケース(100円)があれば、釣銭をスーパーのレジ並には素速く出せるのが便利です。
 初めてなので手際が悪かったこともありますが、何だかんだ言って、設営に30〜40分くらいはかかってしまいました。気温も冬の割には高いので、コートもジャケットも要らないくらいで、ワイシャツ姿で作業していました。(これは一種のコスプレ?も兼ねてかもしれませんが、今回の私の衣裳は、同人誌の内容に合わせて「背広」でした。)
 ところで、サークル参加者が一般参加者と比べものにならないくらいスムーズな入場ができるのも、同人誌を執筆するのに(徹夜までしてという人も多いでしょうが)血のにじむ努力をしたことへのご褒美かもしれません。それに加えて、印刷したり、設営の手間も頒布の手間もかかる事との引き替えですし、本来は、店番をしていたら、一般参加者と違って他のサークルはそう自由には回れません(私も今回は結局同じ「評論・情報」ジャンルくらいしか回らずに終わってしまいました)。
 巡回しているスタッフに参加登録カードと見本誌を提出すると、スタッフがページをパラパラめくってチェックした後、注意事項を説明されて、受付完了。なお、表紙の色違いは別々の見本誌にしなくてはいけないかと少々心配していましたが、その必要はなかったようです。


 ちょうど時間となりました、続きは次回をお楽しみに。

次回予告!

 ositoです。ついに始まりましたコミックマーケット。サークルスペースに、お客さんはどれだけ来てくれるんでしょうね。
 さて、次回の「愛」も「萌え」も定義は広い。は、

の三本です。次回もまた見てくださいね。んっがっぐっぐっ。