12/29-31に開催された「コミックマーケット93」の三日目にサークル参加しました。
今回の頒布物
- みんなのかなづかひ2018(歴史的仮名遣で読みたい・書きたい人向けの、歴史的仮名遣やその周辺の文化を扱ったファンブック)
- 歩みの念 第二章(上の冊子に載せられた小説の、原稿用紙手書きバージョン)
- 見ただけでわかる各種ビタミンのあれこれ(ビタミン13種類を解説するフルカラー本)
- 薬識手帖(クラシック柄のお薬手帳)
- #ハロプロ超帝國(ハロプロ×ファイブスター物語の短篇のフリーペーパー、反対側のページには別の記事「わすれないでね わゐうゑを」)
- 正漢字番附表(「みんなのかなづかひ」購入者特典)
今回のコミケ準備では、フリーペーパーを印刷するモノクロレーザープリンタが不調でした。出てくる紙が折れた状態で出たり、両面印刷ユニットに紙が詰まってばかりで、歩留まり50%以下。調子の良い日は100%近い歩留まりなのですが、とにかく気まぐれです。それでも何とか準備が終了したので、東京に前乗り。
前日:アイドルデュオ「くまぎの」爆誕!?
さて、同人サークル「はなごよみ」の相棒、もえぎのさんが久し振りに上京したので、前日は、もえぎのさん、のーびあさん、そして私の三人で渋谷にある「VR PARK TOKYO」に行ってきました。VRゴーグルを付けて乗り物に乗ったりコントローラを握ったりして、バーチャルリアリティの世界を体験出来る場所です。
野球、カーレース、ジャングル探検、潜水、空飛ぶ絨毯など様々なアトラクションがありましたが、私の一番のお目当ては「ハッピーおしゃれタイム」。VRの中では珍しい、女子力高めなコンテンツです。
ゴーグルを付けてコントローラを持つと、自分が可愛いドレスを着たアイドルの女の子に変身します。髪型や服などを選ぶと、正面から飛んでくる星をキャッチする音楽ゲームが開始します。音楽ゲームの途中と終了後に写真撮影タイムがあり、撮った写真は有料(1枚100円)でプリントする事が出来ます。
私は先日一人でプレイしてきましたが、この日は初めての二人プレイ。二人で決めポーズ以前の問題として、フレームの絵の邪魔にならない場所に移動したりしゃがんだりしてうまく二人が収まる事が最初の課題でした。
最初にもえぎのさんと。ツインテールのアイドルデュオ「くまぎの」爆誕!?
次にのーびあさんと。のーびあさんはアーケードゲームが得意なので、初プレイなのにパーフェクト(100%)を出しました。これはすごい!
当日:さむい、さむいよぉ……
今回はいつものりんかい線ではなく、ゆりかもめで現地入り。りんかい線ほどの混雑ではなく比較的楽に移動出来ました。東京ビッグサイトに到着したのは8:40頃。9時にサークル入場締切なのでギリギリです。
うちのサークルでは、プラスチック段ボール製の陳列棚、通称「雛壇」と、組立式のPOPスタンド(PO.SU.TA)と、テーブルクロス(あの布)と、冊子の入ったポプ箱(同人誌を入れるのにに最適な、印刷会社「ポプルス」の段ボール箱)2箱が一緒に入る、プラスチック段ボール製の通函を自作しました。上から見るとA3サイズですが、120サイズで作ってあるので、運賃的にも経済的です。コミケの宅配便搬入で利用するゆうパックは、宅急便と異なり、重量30kgまでなら同じ120サイズ料金です(が、あまり重過ぎても運ぶのが大変なので程々に)。前回の冬コミでは荷物を減らす為にカートを持たず手で25kg近くある箱を運んでました。オタク活動は結構体力が求められます。……が、さすがにきつかったので、今回はリュックサックに格納出来る小さめのカートを用意しました。楽でした。こんなに楽なら前回も使っておけば良かった。
サークルスペースに積まれたチラシを片付け、テーブルクロスを敷き、雛壇とPOPスタンドを用意し、頒布物を陳列し、頒布物の在庫数と釣銭金額をカウントし……と、いつもの通りの設営作業でしたが、何かいつもと異なる事に気付いたのは、設営完了して椅子に坐ってからでした。こんなに動き回ったら、普段は冬場でもかなり汗をかくはずが、この日はほとんどかいてない、しかも寒い!
ビタミン先生登場
10時に一般入場。何だか普段より人が多めです。そして、一般入場者の話を聞いてみると、「朝方雪が降った」との事でした。道理で寒いわけです。
ここ最近は、3日目で一番来場者の多い男性向け(要はエロ本の遠回し表現)ジャンルを幾つかに分散して配置する様で、今回も私達の属する「評論・情報」ジャンルが二分割されて、間にサンドイッチの様に「男性向け」ジャンルが細切れにして入り、一般入場者の大行列もそこから埋まり始め……と思ったら、「評論・情報」ジャンルもあちら程ではないものの、普通に混み始めてきました。ここまで来場者が増えれば人の熱気で気温も上がるかと思ったら、それでもまだ寒い!
私も午前中に他の評論・情報サークルへ買出しに行くはずが、うちのサークルにも次から次へと一般参加者が来て、なかなか席を外せない程で、嬉しい悲鳴でした。「みんなのかなづかひ」に興味のある方と「ビタミン」の本に興味のある方とがはっきり分かれたのは興味深かったです。手許のメモを見て「みんなのかなづかひ2018」とか「ビタミンの本」と指名してお買求めくださった方も何人もいらっしゃって、嬉しい限りでした。ネットでの事前告知を十分行き渡らせる事の大切さを再認識しました。因果関係があったのかどうかはわかりませんが、きちんとポスターを用意しておいたのも良かったかもしれません。
12時を少し過ぎた頃、何だか見慣れた顔の人が来ました。後ろには蛍光色の帽子をかぶったコミケスタッフ二人。新刊のビタミン解説本の著者、通称「ビタミン先生」(もえぎのさんによる命名)です。ホールに着いたが場所を探してもなかなかたどり着けず迷ったところを、スタッフに助けられて無事到着した様でした。コミックマーケット準備会の用意した資料をあらかじめ渡し、ホールの地図にも印を付けて、「高齢なのだし、かなり混雑するのでくれぐれも無理はしないで」と言っておいたのですが、まさか本当に来るとは。コミケスタッフに手間を掛けてしまったのは申し訳ないですが、わざわざ時間を割き労力を払って来てくれたのは嬉しかったです。
先生のビタミン本はもともと個人誌に近い形で制作したものですが(なので、たまたまコミケのレギュレーション的にも問題なかった)、ある日「コミケで売れないか?」との相談があって、「うちのサークルに置いてもいいですよ」と、今回初のコミケデビューになったものでした。「この本がコミケに出た事の証拠として、記念撮影をしたい」との事だったので記念撮影(実際の写真は省略)。本職のビタミン先生が背広で、本職ではない私が白衣と、あべこべだったのはお約束。あと、差入れのお弁当も有難うございました。
※ストロングゼロは差入れに含みません
あとは3時台半ばまで、もえぎのさんと交代しながら店番をしたり他のサークルスペースに買出しに行ったりしましたが、さすがコミケ、うちのサークルスペースに寄ってくださる方が普段より多かったです。コミケ以外のイベントではそんなに数が出ないので今回も持込冊数を絞って来たのですが、「みんなのかなづかひ 創刊號」(一つ前の号)が完売直前までいったのは想定外でした。旧作の売れ行きについてはあまり芳しくありませんでしたが、それでも新刊の売れ行きが良かったのは本当に嬉しかったです。
コミケ4日目
次の日はもえぎのさんと秋葉原に行ったり、新宿のブックオフやCOMIC ZINに行ったり、船橋に行ったりしてきました。
これまではYodobashi-Akibaのロゴのあたりに季節ものの絵が入ってたはずですが、いつの間にか無くなってました。経費削減かも?
東京駅の総武線快速地下ホームのエスカレータで、プロジェクターによる注意喚起の実証実験をやってました。でも明るさが不十分なのであまり効果ないかも?(そもそも「乗ったら、つかまる」なんて穏便な言葉で、エスカレータ歩行を本気で無くす気が無いのがバレバレ)
昼飯はサイゼリヤで。
総括
- 「薬識手帖」や「歩みの念」のデザインが素敵だと好評でした(特に女性に)。
- ここしばらく「正字正かなの本ばかり出すサークル」との印象が強かったので、いつもと違った分野のビタミン本を出した事も好評の様でした。
- 「微量元素(ミネラル)の本はありませんか?」とのリクエストがありました。著者のビタミン先生も現在検討中との事でした。
- 「みんなのかなづかひ」のファンも増え始めてきて嬉しいです。「押井徳馬のファンだから『みんかな』を読む」「野嵜健秀のファンだから『正かなづかひ 理論と実践』を読む」も嬉しいし、切っ掛けとしてはいいのですが、理想としては個人のファンではなく歴史的仮名遣そのもののファンになって欲しいし、そのためには歴史的仮名遣で書くサークルが今後他にももっと増えて、コミケに「歴史的仮名遣島」が出来るのが私の夢です。興味のある方は始めてみませんか。
- 「みんなのかなづかひ2018」の「DX版」とは「歩みの念 第二章」の冊子版の付いたセットの事ですが、私の説明不足により、もえぎのさんが店番の時に正しいセットを出せずにご迷惑をお掛けしました(これは私の説明不足が悪いので、もえぎのさんは悪くありません)。この場を借りてお詫び致します。
- もえぎのさんの本の売れ行きがあまり芳しくないのが気になりました。そのテコ入れも兼ねてペーパーを頒布したのですが、「ハロプロアイドル」と「ファイブスター物語」の両方を知らないとわからない、現状マイナーなネタではあります。興味深い評論を書く人なので、次回作としていい題材がないか私も探してます。
- サークルスペースへお越し下さったり、本をお求めくださった皆様、どうも有難うございました。