メイド「リフレ」と「マッサージ店」の違い

 最近、秋葉原に「メイドリフレ」なる店が増えているらしい。リフレとはリフレクソロジーの略で、俗に言う足裏マッサージと同じようなものである。しかし、「マッサージ」の代わりに「リフレ」なるあまり耳馴染みのない言葉を使うのはどうしてだろう。

「マッサージ」は資格の必要な医療行為

 そこで、Wikipediaで「マッサージ」と「リフレクソロジー」を検索してみた。

マッサージ
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
マッサージ(massage)は、直接皮膚に求心的に施術することにより主に静脈系血液循環の改善やリンパ循環の改善を目的にした手技療法である。マッサージはフランスで生まれた手技療法を指すが、同様の効果を得られるものとしてタイ式や韓国式のマッサージも便宜的にマッサージと呼ぶ。狭義のマッサージを医療マッサージと呼ぶこともある。
(中略)
日本における法規上の問題点
日本では、マッサージの名を冠した手技を業として行うためにはあん摩マッサージ指圧師免許もしくは医師免許(国家資格)が必要である。「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和22年12月20日公布)において、あん摩マッサージ指圧師免許もしくは医師免許(共に国家資格)がなければ按摩を業として行うことはできない。2005年現在、「なでる・押す・揉む・叩く」あらゆる行為は、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に違反する行為で、50万円以下の罰金刑である。ただ、エステなどではクリームやオイルを潤滑剤として使用し塗っているだけと弁明し、リフレクソロジー。(和名:足裏マッサージ)や浴場のマッサージ店では「マッサージ」とは明記せず「ボディケア」と明記し摘発逃れの言い訳を作る無資格業者も少なくない。無資格・無届者は「従来のマッサージとは違うものだ」「我々が行っているのはボディーケアである」などと言って、事実上マッサージ行為であるにもかかわらずその看板を掲げず、ボディケアと称して行政指導や捜査を逃れようとする行為は常とう手段だとされる。2005年現在各地で無資格業者への取り締まりはされているものの、全体的な摘発件数は少なく十分な取り締まりがなされていないのが現状。現在

マッサージ店ではクリームやオイルを潤滑剤として使用し、無免許をカモフラージュして行う店舗が有る。マッサージ店をダイエットやスキンケアなどの美容目的で訪れる人も多く特に女性に人気があるが、使っている潤滑剤には湿疹やアレルギーなどがあるので注意が必要である。美容目的の女性客を顧客として想定している場合、女性専用マッサージ店となっている場合もある。

マッサージ - Wikipedia

リフレクソロジー
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
リフレクソロジー(Reflexology)とは、反射療法として例えば足の裏や手の平等の特定部位を押せば体の特定部位に変化が起こり疲れが改善したりすると言った療法である。しかし、事実上リフレクソロジーとはその大部分が別称が足裏マッサージと言われるように足裏や手の平を押す行為を行うものである。

名称の由来は、REFLEX(反射)とOLOGY(学や論の意味を表す名詞を作る接尾語)を合わせた造語であるとの説が有力。

リフレクソロジーと「マッサージ」
和名称の「足裏マッサージ」と明記できないのには法律的な壁があるためで、マッサージ行為が日本国内で行えるのはあん摩マッサージ指圧師免許もしくは医師免許を所持する者だけであると「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」で明記されているため、無資格者はマッサージ行為を行うことができないということになっているからである。

しかし、2004年1月14日、無資格でマッサージ行為を行っていた業者のうちの一社が摘発される。報道によると、マッサージなど「医療類似行為」には国家資格が必要であり、施術所は県知事へ届け出義務がある。しかし無資格・無届け業者は「従来のマッサージとは違うものだ」「我々が行っているのはボディーケアである」などと言って、事実上マッサージ行為であるにもかかわらずその看板を掲げず、ボディケアと称して行政指導や捜査を逃れようとする行為は常とう手段だとされる。だが今回、県警の照会に対し厚生労働省は、マッサージの定義を「体重をかけ、対象者が痛みを感じる強さで行う行為」と回答。これを受け県警は当該業者の摘発に踏み切った、ということである。つまり、リフレクソロジーも上記事例に該当する可能性が非常に高い。

現在上記の摘発事例や厚生省のマッサージの定義付けなどから、民間療法において「なでる・押す・揉む・叩く」といったあらゆる行為は、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」に違反する行為に該当し50万円以下の罰金刑に処せられるため、治療には注意が必要である。

リフレクソロジー - Wikipedia

 つまり、健全なマッサージかいかがわしいマッサージかという以前の問題として、マッサージは法律的には医療行為であり、無資格者が「マッサージ」を客に行うなら法律違反になってしまうのである(もちろん、有資格者が行う分には何の問題もない)。
 しかし、ここは業者も抜け目がない。「我々が行っているのはマッサージではなくてエステだ、リフレだ」と称して、それが抜け道になっているのが実情である。
 なぜマッサージが日本では医療行為とみなされているかというと、按摩が盲人の職業として保護されていた(つまり健常者がむやみに参入して盲人のできる職業を奪わないように)時代の名残ではないかと思われるが、興味有る方は是非ご自分で調べていただきたい。

個室は避けた方が良いのでは?

 はじめに、私はメイドリフレ店には一度も行った事がないので、テレビで見た内容だけで判断している事を断っておく。
 そのテレビで紹介されていたメイドリフレ店は、カーテンで仕切った個室で、店員と客が一対一になり、フットバスや足裏を揉んだりオイルを塗ったりするという内容であった。
 そこで行われているリフレそのものは至って健全である。しかし、古い人間だと笑われてしまうかもしれないが、私が唯一気になったのが、客が男性である場合、個室で異性が二人きり、という状態になってしまう事である(これが私がこれまでメイドリフレ店を避けていた理由でもある)。
 これまでは大きな問題が発生していなかったかもしれないが、基本的に男はオオカミなのだから、用心するに越したことはないだろう。カーテンの仕切りの一面を開放しておくとか、他の店員の目が届くようにするとか、何かしら工夫して欲しいものである。誤解されるような状況は、事が起こる前に、最初から作らない方が賢明である。そうすれば、健全なリフレを受けたいという人に入りやすく、下心を持った人に入りにくい店になるだろうし、店員も安心して業務を行うことができる。


 http://d.hatena.ne.jp/Hayashida/の「メイド喫茶に明日はあるの?」シリーズで火がついたメイド喫茶論争は、メイド喫茶(の一部のサービス)の問題点を浮き彫りにした。
 だからと言って、「リフレなら飲食営業許可も要らず、風営法二号営業にも引っ掛からず、客の回転も良い」と、安易にメイドリフレ店の経営を考えているなら、今のうちに考え直した方が良いだろう。リフレという業態そのものが(無資格者によるマッサージである限り)グレーゾーンである上に、喫茶店と違って、店員と客とが直接触れ合う業種であるから、衛生と風紀には余計に注意しなくてはならない。
 最後に一つフォローしておくなら、秋葉原電気街を歩き回るのは、足がパンパンになるくらい疲れるので、喫茶店で一息入れる、リフレでゆっくり足を休める、といった着眼点はとても良いと思う。秋葉原ならではのユニークな「メイドさんのいる店」が長く続き長く愛されるためにも、法的問題や倫理的・社会道徳的問題をちゃんとクリヤして、健全な営業をして欲しいものである。