文学フリマ東京40
日時:2025/05/11(日)
会場:東京ビッグサイト南館
サークル名:はなごよみ
配置番号:M-81
歴史的かなづかひや正漢字(旧漢字)についての本を頒布します。
主な頒布物はこちらをご覧下さい。
c.bunfree.net
國語問題協議會の栞
表記:新字・正かな(前半部分)、正字・正かな
予価:500円
内容見本(PDF): https://kokugomondaikyo.net/pdf/shiori_r6_sample.pdf
「はなごよみ」名義ではなく、私が常任理事を務める「國語問題協議會」として発行したものですが、文学フリマでは初頒布なので紹介します。
「『旧字・旧かな』『新字・新かな』とは?」「『旧字・旧かな』で書かれた国語が戦後『新字・新かな』に移行したいきさつは?」「どうして今でも『新字・新かな』への移行に抵抗する文筆家やネットユーザが一部に居るの?」等、国語国字問題の概要を知るための一冊です。
平成十年版から四半世紀振りの改訂で、「祖父母ですら『新字・新かな』による教育を受けた世代」が大半になりつつある現代に合せて大幅に増補しました。
「國語問題協議會」設立当初の昭和三十年代は、戦前の学校教育を受けた人が社会の大半を占め、子供は新たに始まった「新字・新かな」による学校教育を受けてそれで読書きしたものの、まだまだ「旧字・旧かな」による出版物や看板なども残り、また親や職場の上司の書く「旧字・旧かな」を読む必要に迫られたり、時には「この字(新字)は誤りだ」と指摘する上司に忖度して部下も「旧字」で書く事もあったと聞きます。「旧字・旧かなとは何ぞや」をいちいち一から説明する必要などありませんでした。
ところが今では、「非日常的だったり古風な表記」は全部「旧字」(漢字でなくとも)とか「旧かな」(仮名文字でなくとも)のくくりに入れられがちです。人名で使用する異体字はそれでも尊重されがちですが、私が「旧字」で書くと「お前は中国の回し者か」と非難する人が時々居るほどです。
「一からか? 一から説明しないと駄目か?」はい、その通りです。
「國語問題協議會」の出版物は正字・正かな(旧字・旧かな)を原則としますが、今回は理事会に話を通した上で、最初の方の章(私の執筆した増補部分のうち「未来にはどんな国語を残したい?」「国語年表」「質問箱」の三つ)のみ、新字・正かな(新字・旧かな)としました。正かなは義務教育で読み方を学びますが、正漢字は学校で学ぶ機会が殆どなく、読み慣れない方も多い事が想定されるためです。しかし、若い世代が正漢字を読みづらいと感じるのは、「若者が正漢字を学ぶ機会を奪はれてきた」からです。そこで巻末の資料として「百漢字 正字新字一覧表」を掲載しました。百字厳選のダイジェスト版の「新旧字体一覧表」ですが、私が同人誌即売会でこの一覧表を配ると「こんな資料が欲しかった!」と大変喜ばれます。現代では常用漢字表にない表外字を使用する機会が昔より増えましたが、偏や旁などの文字部品は「旧字」と共通するので、それを理解するのにも役立ちます。
昭和三十年代に我々の先輩方が執筆した「宣言」(福田恆存氏(文芸評論家、翻訳家、劇作家、國語問題協議會常任理事)起草)、「同胞各位に訴へる」(市原豊太氏(東京大学教授・フランス文学者・國語問題協議會理事)による)、「國語問題略史」(竹内輝芳氏(言文研究会主幹・國語問題協議會理事)による)は、戦後直ぐの「このままいけば漢字がどんどん減って無くなるかもしれない、歴史的かなづかひも縁遠いものになるかもしれない」との危機感の感じられる資料です。また、「公的な国語表記は戦後GHQがいきなり変更したのではなく、明治時代から一部の人々によって準備が進められてきた」事もわかります。
「正假名遣掛圖」は現在の國語問題協議會常任理事である髙﨑一郞氏によるもので、どの言葉でどちらのかなで書くのか、代表例をまとめたものです。
また、表紙にも「未来にはどんな国語を残したい?」の中にも、奥附の上にも、三箇所に載せた「五十音図」ですが、これは「歴史的かなづかひ(正かな、旧かな)」を文法的に理解するには必須の表です。現在は「小学校で小倉百人一首を学ぶ」時代なのですから、ヤ行とワ行が「や□ゆ□よ」「わ□を□ん」ではなく、きちんと「やいゆえよ」「わゐうゑを」と埋めた昔ながらの「五十音図」を見直して欲しいものです。
【國語國字問題と國語問題協議會】
未来にはどんな国語を残したい?
国語年表
質問箱
入會案内
會則
沿革
役員一覽
【資料篇】
宣言(昭和三十四年)
同胞各位に訴へる(昭和三十九年)
國語問題略史(昭和三十四年)
正假名遣掛圖(主なかなづかひ)
百漢字正字新字一覽表
インターネットで得られる參考資料
五十音圖