新百合ヶ丘で、マイマイ新子の野外上映会に行ってきたよ


8/22(日)、川崎市立麻生小学校の校庭で開かれた「しんゆり映画祭2010」に行ってきました。

今日はオバQ、もとい小田急を初体験。「成城学園前」とか「向ヶ丘遊園」とか、小田急の駅名だけは、聞き覚えがあるものばかりでしたが、実際にその駅を通り過ぎたのは今日が初めてでしたし、目的地の新百合ヶ丘も、名前だけは知っていても、実際に来るのは初めてです。


会場である麻生小学校に着くと、映画祭ののぼりが立っていて、スタッフがパンフレットを配布していました。夢ではない、本当に上映会が開かれてました!



校庭に着くと、校庭と校舎の間には、単管パイプなどで組まれた大きな足場と、そこに張られた白い幕。客席は、小学校の体育館くらいの大きさはあろうかというくらい、それはそれは広く敷き詰められたブルーシート。

そしてその後ろには、テントの下に映写機が二台ありました。リールの幅からすると、(学校でかつて広く使われていた16mmではなく、)ふつうの映画館と同じ35mmフィルム用みたいです。これは本格的!
焼きそばやら飲み物やら、屋台もいろいろ出ていました。それにしても最近の屋台はメニューもちょっと国際的です。インド人と思われる家族がインドカレーやラッシーやチャイなどを売ってたり、ドネルサンドの移動販売車も来ていました。

私は大盛りを頼んだのですが、な、何と割り箸付き!? 私は秋葉原でよくドネルサンドを買っているのですが、こんなサービス初めてです。「トルコ風料理でこれは邪道だろ」と最初思ったものの、あまりにも具が多いので、素直に箸で食べちゃいました。こんなに食べやすかったとは!

子供たち向けに「昔の遊び」コーナーという企画もあって、「けんけんぱー」とか「輪投げ」とか「水鉄砲」とかを1種類やるとスタンプ1個、3つ集めると何か賞品がもらえるというもので、ちっちゃい子たちが次々と来ては挑戦していました。「型抜き」なんてのもありましたが、見るからに難しそうなのに、みんな集中して一生懸命やっていました。
もちろん、(恐らく中野レコミンツの出張部隊だろうか?)映画パンフやサントラCDやDVDの販売もありました。いかがですか?と私も声かけられましたが、ごめんなさい、全部持ってます。もうDVDちゃんと買ってあるのに、それでもまたスクリーンで見たくなる、そんな不思議な作品です。私にとっては。

mookiさんと学生さんたちの美声に、はにゃ〜ん

映画上映の前には、お偉いさんの挨拶と、スペシャルゲストであるMinako "mooki" Obataさんのミニライブ。「マイマイ新子と千年の魔法」という作品は、アニメ映画としては珍しく、スキャットをBGMにあちこち使っているのがとてもユニークです。今回は、一人でハモれる「多重録音」を実際にデモってみたり、近くの学校の学生たちとハモってみたりと、そんな素敵なコーラスに聞き惚れているうちに、「ええっもう終わり!?」と、あっと言う間に過ぎてしまった30分でした。



素敵な野外上映会!

休憩の後は、片渕監督の登場。「マイマイ新子と千年の魔法」という作品の舞台となる土地や時代のごく簡単な説明がありました。

そしていよいよ、待ちに待った映画上映! もうすっかり日は落ちて、映画に程良い暗さ。そして心地よい夜風。風といえば、屋外だけあって、銀幕は風で少し揺れていましたが、そのせいもあってか、麦畑のシーンは、屋内で見ていた時以上に「風の感覚」を感じました。
客席のブルーシートはすっかり人で埋め尽くされて、後で聞いた話では、千人以上は集まったのだとか。ブルーシートの外にもお客さんがいたくらい、それはそれは大盛況。たくさんのちっちゃい子やパパママやおじいちゃんおばあちゃんが、スクリーンに吸い寄せられるかのように熱心に映画を見ていました。ちっちゃい子がかなり多かった割には、騒いでいる子もそれほど多くなくて、みんな、すっかり作品世界のとりこになっていたのが印象的でした。今日ばかりは我々アニメマニアも少数派です。
最初の方で「映写機が二台」と書きましたが、これには理由がありました。隣の映写機に次のフィルムをスタンバイさせておいて、画面の右上に●印が出たところで、隣の映写機にバトンタッチ、というのが何回か繰り返されました。今の映画館ではフィルムをあらかじめ全部つないでおいたり、そもそもデジタル上映だったりするために、あまり見られなくなった光景ですが、プツッという音とともに次のフィルムに切り替わるのが何ともレトロで、そこだけはまるで作品の世界にもあった昭和30年の映画館みたいです。
それにしても、麻生小学校は小田急線の線路の近くにあるのですが、電車の音でセリフが聞き取れないなんて事が全然なかったのが不思議でした。残念ながら私はあまり気付かなかったのですが、後で聞いた話では、作品中で汽車の出てくるシーンになると、まるで申し合わせたかのように小田急線の電車が後ろを走っていったことが何度かあったそうです。この上映会の不思議な「千年の魔法」でしょうか!?
私はこの作品を映画館で(今回除いて)3回も見て、DVDでも見ているのですが、野外上映というのも、また趣があって良いものです。特に、最後の方で、夜の道端で新子と貴伊子が語り合っているシーンでは、フィルムの中の世界の星空が、まるで我々客席の頭上の星空につながっているかのような錯覚さえ感じてしまう、何とも不思議な体験でした。来年はどんな作品が上映されるのでしょうか? 今から楽しみです。

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