「マイマイ新子」を見てきたよ

「マイマイ新子と千年の魔法」公式サイト(2009年公開映画)
映画「マイマイ新子と千年の魔法」公式ブログ
先日、吉祥寺に遠征して、映画「マイマイ新子と千年の魔法」を見てきました。
井の頭公園への一人旅に行って以来10年ぶりに足を踏み入れる吉祥寺。場所は、サンロード(駅前商店街)の中にある「バウスシアター」。(※注:バウスシアターでの上映は4/30で終了しています)
ファミリー向けのアニメ映画ですが、21:00からの上映なので、さすがに子供連れはいません。20〜30代の男女カップルか、20〜50代の男性がほとんどでした。私もその一人。

そうそう、このポスターです。この何とも微笑ましい二人のイラストをGIGAZINEの記事で見かけて以来、お医者様でも草津の湯でも治りゃせぬ「新子ちゃん&貴伊子ちゃん好き好き病」にかかってしまい、いつか劇場で見てみたいと思っていましたが、その念願がやっとかないました。
監督自らが映画の舞台を案内してくれる「マイマイ新子探検隊」に参加してきた〜午前編〜 - GIGAZINE
監督自らが映画の舞台を案内してくれる「マイマイ新子探検隊」に参加してきた〜午後編〜 - GIGAZINE

想像で語る「マイマイ新子

ところで、新子ちゃんと「マイマイ(かたつむり)」は、どんな関係があるんでしょう? それに「千年の魔法」って?

私はこの映画を見るまでは、「主人公の新子ちゃんが、マイマイ(かたつむり)の恰好の魔法少女に変身して、千年前の清少納言を召喚する、ファンタスティックな魔法少女アニメ」なんじゃないか、なんて勝手な想像を立てていました。
ところが、映画が始まっても新子ちゃんは一向にマイマイに変身する気配はないし、そもそも「千年の魔法」というのも単にもののたとえで、新子ちゃんや他の誰かが魔法少女になって…なんて展開では全然ありません。これは予想外!

そもそも「マイマイ」って?

題名にもある「マイマイ」というのは、新子ちゃんのおでこにある「つむじ」のこと(螺旋っぽいから?) 本人はそれを気にしているみたいですが、でもそこがチャームポイント(萌え属性で言うなら「アホ毛」?)でかわいいんです。

作品の舞台は、昭和30年代の山口県防府市。東京から来た裕福なお嬢様の貴伊子ちゃんが、新子ちゃんたちのいる小学3年生の教室に転校してくるところから、ストーリーが始まります。



最初のうちはみんなとなじめず疎外感を感じていた貴伊子ちゃんも、新子ちゃんと親友になって、新子ちゃんの仲間たちと泥遊びやら探検やらと遊ぶようになって以来、次第にみんなと打ち解けていく、という、まったりとした雰囲気の作品です。

最初の方では、セーラー服の制服とか薄汚れた遊び着で、靴下もはいてない新子ちゃんたちと、上品で清潔感のある私服に女の子らしい靴と靴下の貴伊子ちゃん(服については、まさにポスターのあの服装)、という描き分けが、「田舎の子」と「都会の子」の距離感を暗示していましたが、もう貴伊子ちゃんも新子ちゃんたちとおんなじセーラー服です(色が焼けてる新子ちゃんの制服と違い、貴伊子ちゃんのはピッカピカの新品というところまで描き分けているところが細かい!)。

そういえば貴伊子ちゃんの私服も、話が進むにつれて、都会的でちょっと大人っぽい服から、上品だけれど子供らしい服のバリエーションも追加されていくのが見て取れます。提灯袖に吊りスカート、すごく懐かしいですね。でも髪型は新子ちゃんの真似して前髪パッツンにすることなく、この大人っぽい髪型を死守してます。
彼女は「媚びたエロ可愛らしさ」とは無縁の存在でありながら、それでも何だか「上品で健康的で奥ゆかしいセクスィーさ」がほのかにあるのが、とっても不思議な魅力の少女です。髪が風に揺れてうなじが見えるシーンとか、お上品な靴下を脱いで裸足で遊び回るシーンとか、新子ちゃんよりちょっとお姉さんっぽい面を感じます(まだ「つ」の付く年齢なのにね)。

新子ちゃんは空想好き。千年前、ここに都があったという話をおじいちゃんに聞いて以来、どんなお姫様が住んでいたのだろうという想像の翼を広げるのでした。貴伊子ちゃんもその想像の世界を一緒に楽しむことができるのでしょうか。

内緒話のシーンが何度か出てくるのですが、すごくかわいい!
 
とは言え、この作品では「綺麗事」だけが描かれるのでは決してなく、大人の世界の暗い側面や、そういう事件に直面して子供なりに傷付いたり悩んだりという部分も描かれています。けれども、この映画の中の子供たちも、それらを乗り越えて少し人間的に成長していくのです。
 
とにかく新子ちゃんと貴伊子ちゃんの友情がとても微笑ましくて、それだけでも見る価値のあった作品でした。それから、作品全体に漂っているレトロな空気感を懐かしめる作品かもしれません。皆さんも、もし都合が付けば、劇場で上映しているうちに、この作品をごらんになることをおすすめします。
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