モーニング娘。学会に行ってきました(上)

モーニング娘。学会に出ます - 「変人」は褒め言葉の続きです。
 発表資料用のネタを思い付くたびにメモしては、帰ってきてから毎晩夜なべして資料を作成して、前日深夜は眠い目をこすりながら発表資料用のイラストを描いたり印刷・製本したり……
 そしてとうとう学会当日がやって来ました。会場は秋葉原駅中央改札から歩いてすぐの「東京都中小企業振興公社 秋葉原庁舎」のビル。ロビーのイベント一覧表を見ると、3階の会議室の本日の予定は「モーニング娘。学会」。この学会はマジで現実だったのだと思いつつ、エレベータで3階へ。
 会場には今日の参加者がちらほら集まり始めていました。主催者であるエレンさんと斧屋さんのお二方も、実際に会ってみると、おおかた私の想像していたイメージ通りだったのにはビックリ。
 午前の部のレジュメを参加者全員に配布……って、A4用紙一枚か二枚に箇条書きでよかったんですか! みんなそれくらいの分量でした。学生時代に卒論発表をやって以来、レジュメなんてものには全く無縁だったので、すっかり書き方を忘れてました。むしろ、PowerPointでプレゼン資料を作るのには普段すっかり慣れていたので、私は私でいつもの慣れた方法でと、A4用紙16枚分になる資料に表紙を付けて製本して―まァ、ビジネスの世界ではこれくらいの分量が普通ですが―、でも、この学会では資料の枚数が一番多いほうでした。
……と思いきや、チャーリイさんが何やらすごく分厚い資料を持ってきました。エレンさんがダイアリーに書いた論文を全部印刷してきたのでした。約100枚。これも参加者全員に配布されました。何やらものすごい。
 そんなこんなで、学会発表が始まりました。午前の部は「萌え論」。三次元アイドルの虚構性と、虚構の持つ力について語るエレンさんや、萌え文化の歴史概略や、萌えの有用性と危険性の二面性について語るアヌワルさん。ゆっくりお茶を飲みながら「なっち萌え萌え」叫んでるような、そんなまったりした雰囲気の会では全くなくて、非常に学術的な雰囲気の高い集まりでした。発表者の発表が終わると、質疑応答も非常に活発です。
 私の番が回ってきました。ぶっつけ本番だった割には、つつがなく終わらせる事ができました。今回一番心配していたのが、発表が終わると「それは違う!」と「朝まで生テレビ」ばりの反論の嵐に遭う事。しかし、そんな事は無く、自分の出した意見におおむね同意するような内容ばかりで、「えっ本当にいいの!?」と、狐につままれたような不思議な感覚でした。特に、「萌え、イコール、エロと決め付けるのは間違っている」という自分の意見に一言も反論が来なかったばかりか、前半の発表者全員(そして他の参加者も)がみんな、その立場に立った上での議論を展開していたのですから。
 特に一番印象に残ったのが、「萌えが(エロの)隠れ蓑に使われるという事自体、萌えそのものは健全である証拠」という言葉。確かに、狼の皮をかぶった狼なんて見たことも聞いたこともありません。「萌え」が羊のように見えるからこそ、そこに狼も隠れられるというものです。
 それに、アイドルオタクと一般に呼ばれる人たちが、こんなに「萌え」について深く考えているとは、これまで思ってもみませんでした。アニメオタクとして「萌え論」を考察する人は多いものですが、アイドルオタクという立場からの「萌え論」は非常に新鮮であっただけでなく、ちょうど私の考えに近いところも多かったのは意外でした。
 また、「モーニング娘。」をはじめハロプロ界隈の現在の事情にはてんで疎い私でも議論についていけるかどうかも非常に心配でしたが、いざ幕が開くと、そんな心配などすぐに吹っ飛んでしまいました。夜なべして少し疲れていて、普段なら睡魔に襲われそうなところなのに、眠気すら吹っ飛んでしまうほどだったのですから。それほど、自分にとって関心ある話題が続いたし、議論も非常に活発でした。
 さて、午後の部以降については次回書くことにしましょうか。また、今回参加できなかった方のためにも、私の発表資料を上げておくことにします。
どうして女の子の絵ばかり描くの?(おまけコーナーにPDF形式のレジュメがあります)
※紙に印刷する場合は、印刷後、8頁目をキリトリセンに沿って斜めに切り、右下の三角形の部分を捨てると、作者の意図した通りの資料になりますので、可能ならそうなさる事を強くおすすめします。
女の子のイラストを描く17の理由(上のPDFより抜粋)
17 reasons to draw little girls(上の画像の英訳版)