モーニング娘。学会の発表予定内容メモ

個人的なメモ。どんどん追加するよ。

萌えを知る補助線としての「愛」
その1:古代ギリシャ語の4種類の愛
・フィリア 友愛
・ストルゲー 家族愛 血のつながりによる愛
・エロース 男女の愛
アガペー 博愛、が近いか? 愛の中でも特に理性的な愛。神の愛、見返りを期待しない無償の愛とも。「汝の敵を愛せ」の愛はこの愛
アガペーは理解できないという人も多いが、フィリアやエロースとは別物
アガペーと他の愛とが組み合わさる事もある。理性的、正義感に基づく愛になる事が往々にしてある
その2:何かに喩えた分類
・恋人や夫婦のような愛
・兄弟姉妹のような愛(姉に対すると妹に対するでだいぶ変わる)
・親子のような愛
・祖父母と孫のような愛
・このように「愛」と一口に言っても様々なカタチがある

萌えとは
・「スイッチが入っちゃう」状態
・1990年代始め頃に「萌」の言葉が宛てられるようになった。それ以前は「燃え」「もぇ」等と表記
・理解はともかく、言葉だけは広まっている。意外なことに、氣志團の歌にも登場
・時々、イコール劣情と誤解されることがあるが、必ずしも同一ではない
オノマトペは「はにゃーん」が近い?

萌えキャラとは
・注目を引く(大きな目などの漫画的誇張、女性っぽい、子供っぽい、動物っぽい造形、人なつっこさ)
・小さい、弱いキャラクターに対する優位性を感じる、という見方は一面的
→力を持たぬ者がけなげに努力するいじらしさ、勇気、努力を応援し、賞賛する心
→完全無欠のスーパーウーマンではなく、身近で近づきやすい存在、自分たちと同じ弱さを持つ人間、という側面を表すことで、「共感」を呼ぶ(モーニング娘。のような日本的アイドルもそう)
→老若問わずメイドさんを友達のように扱うフィクションのが一般的なのは日本的。外国のフィクションではメイドさんと親しくなるのは子供だけと相場が決まっている。つまり子供の感性でキャラクターに接している
→自分の分身や語り部としての萌えキャラ
・ペットや小動物に対する反応との類似性

なぜ萌えは誤解されるか
・実情についてあまり知られていない事が一番の要因。
・めんどくさいので、表面だけの理解で満足する傾向。「大体、自分がそういう作品に親しめないし」
・文化の違いが誤解を生む
・人生経験の中で、どのようなカタチの愛情を注ぐ・注がれるという経験をしてきたかによって、「愛」のイメージが変わるし、「萌え」も然り
・エロ解釈は簡単だし自分の出したい結論に結びつけやすい
・いわゆる成人向け産業では「口実」が蔓延しているため、萌えも「口実」ではと思われる
・自分自身が成人向けコンテンツのマニアなら、いわゆる「専門馬鹿」になって周りが見えないという罠も(もちろん逆パターンもあり)

今後の展望
・萌えを良い方向で活用する可能性を探れないか?
・わかりやすい説明を。たとえば、ただ「泣けるゲーム」等では不十分、具体的な説明が必要