「非営利なら」掲示板での宣伝投稿は許されるか

 たとえば、マルチ商法とか出会い系サイトのサクラなどの宣伝投稿は「金を払わなくていいからといい気になって営利目的の投稿をしてる」とか「詐欺的商法」ということでほとんどの掲示板で嫌われるのが普通だろう。それじゃ、非営利だったり健全な商売なら、他の掲示板に自由に宣伝投稿してよいかというと、必ずしもそうではない。実際の所、非営利の個人サイトでも、宣伝がしつこくて嫌われ者になるパターンがよくある。

 たとえば、誰とは言わないけれど、掲示板を自分専用の日記帳としか思ってないのか、自作の下手糞な詩と、国文法のトンデモ理論を頻繁に投稿してくる困ったさんがあちこちの掲示板に出没して、みんなの顰蹙と怒りを買っている。精神的におかしな人が妄想に基づいて個人や企業を告発する「トンデモ告発サイト」の宣伝投稿も時々見かける。

 よりまともな事例でいうなら、ボランティアや市民運動に関連する宣伝投稿も多く、たとえば最近ではイラク戦争反対のスパム投稿もよく見かけた。

 これらの投稿者は非営利だし悪徳商法じゃないから良いか、一部のこの種の投稿者が書いてるように「掲示板の趣旨に合わないようでしたら削除してください」と断り書きすればいいかというと、そういう問題ではない。みんなで楽しく会話しているところに、突然宣伝を始めてしまう人が登場したら、多少なりとも違和感を感じるものである。それに加えて「しつこい」とか「不特定多数の掲示板に書き逃げ」「掲示板のテーマから逸脱している」が加わると、往々にして迷惑扱いされてしまう要因となる。

 宣伝投稿が往々にして煙たがられるもう一つの要因としては、「掲示板を読まずにただ書くだけ」の人と思われてしまうことにある。「何だよ、お前、一方的にしゃべるだけかよ。もっと人の話も聞いて会話しようぜ、会話」「会話がキャッチボールになってないじゃないか」と思われてしまうのだ。

 まあ、これは宣伝投稿に限った事ではなくて、「教えて君」も、他人の掲示板を日記代わりに使う人も、他にも当てはまる例がいろいろある。私も過去にいろいろ失敗してきたし、他人を批判するばかりでなく、自分も気を付けねばならないだろう。

 私は、どの掲示板においても、非営利であっても、宣伝投稿は100%いけないと主張するつもりはない。特に、現在掲示板で進行中の話題にぴったり合ったウェブサイトを、サイト運営者なり第三者がタイミング良く宣伝してくれるなら、白けるどころか話が弾む良い結果になるかもしれない。

 しかし、非営利サイトだからといって、どんな宣伝も許されると考えては大間違いである。気を付けないと「度を過ぎたしつこい宣伝」「場の空気を読んでない白けた宣伝」という罠に陥り、否定的な印象で見られて逆に悪い宣伝になるかもしれない。是非とも、そうならないよう気を付けたいものである。