前回とは対照的なメイド喫茶

 さて先々週はメイド喫茶について書いてみたが、一口にメイド喫茶と云っても、店によって大きく特徴が異なると気付いたのも昨日のことであった。ここに書くネタの取材も兼ねて、今度は別のメイド喫茶に行ってみたのだ。以前は19世紀のイギリスのメイドというものをモチーフにした「CURE MAID CAFE」という店だったが、今回は「cos-cha」という別の店である。私はすぐ隣の「パソコン工房」には何度も行っていたはずなのに、その隣にまさかメイド喫茶があるなんて、これまで全く気付かなかった。私がこれまでいかにメイド喫茶に興味がなかったかがよくわかるだろう。

 ウェイトレスの制服は、以前行った店のクラシックで落ち着いた雰囲気とは打って変わって、紺色をベースとしながらも、現代的、キュート&ポップで活動的といった印象の服であった。まず、後ろから見た襟が鋭角であるというのが特徴的であり、「カードキャプターさくら」の友枝小学校の制服とか、昔ジャンプで連載されてた「I's」という漫画の制服を彷彿させる。スカートもミニぎみでふくらんでいる様は、まるで「ザ・ベストテン」に登場する80年代のアイドルを思わせるし、注文端末が天使の羽根を描いた可愛いポシェットに入っているのが何ともキュートである。

……と書くと良く書き過ぎの様な気もするが、まあ、ぶっちゃけて言えば「ギャルゲー風に解釈したメイドさん」である。店員によっては猫耳の飾りを付けていたりもした。店内装飾もギャルゲ系で、ウェディングドレスを着た二少女や、靴下を直してたりスカートの裾をつまんであいさつのメイドさんの絵が飾られていた。また、ウェイトレスを漫画的に描いたイラストのバッジとか、「おねがいティーチャー」というアニメのトレーディングカードとか、正確な商品名は忘れたが、スクール水着姿の二少女を描いたミニクッションなども売られていた。ギャルゲー好きなら気に入りそうな店なのだろう。とは言え、露骨にすけべなイラストなどは無く、エロ属性が抑えられていたのは、せめてもの救いであった。もし仮にあったとしたなら、私は註文を取る前に店を飛び出していたことだろうし、店の従業員もちょっと可哀想な気がする。(06/11追加:前回のCURE MAID CAFEの時は、たまたまハープ演奏会というイベントが開かれていたのが幸いして上品に楽しむことができたが、今回のcos-chaは逆に、何もイベントのない通常営業だったのが辛うじて幸いしたことを、後に知った。普段は先に挙げたようなキュートな制服だが、イベントデーに限っては別の仮装をするという。ウェディングドレスなど普通の仮装ならいいが、セクシーさを売りにした仮装、たとえばスクール水着の日もあったと聞く。これは引くだろう。その頃ウェイトレスが7人も辞めたと聞くが、さもありなん。そういうのが嫌いな人は、イベントデーに気をつけるべし。)

 今回はスパゲッティミートソースとミルクティー(アールグレー)を註文した。待ち時間の間、「例によって9割以上が男性客であることと、従業員の制服と、店内のギャルゲ系な装飾を除けば、何だか普通の喫茶店やレストランと同じだなぁ」などと考えていた。ウェイトレスさんの顔など今となってはほとんど忘れてしまったが、スパゲッティを運んできたウェイトレスさんは、いわゆるツインテールと呼ばれるお下げ髪に眼鏡という出で立ちだったので、「こういう世界では眼鏡をかけた女の子も人気者になれるのだろう」と思ったことは覚えている。もしかしたら皆さんもご存知かもしれないが、アニメやゲームの登場人物の眼鏡を掛けた女性が好きだという人は結構多いらしい。私なら、「眼鏡を掛けた女性で印象に残る人」を聞かれたら「Tommy february6」と即答するけれども、アニメやゲームにも眼鏡姿の魅力的なキャラクターがいろいろいるようである。

 肝腎の味であるが、ミートソースの味は甘めで、良くもなく悪くもなく。ただし、麺が細麺であるのはポイント高し。紅茶は葉っぱから淹れていることもあって、やはり美味しかった。

 前回(2004/05/24)・今回を通して私の書きたかった結論はメイド喫茶などみんないかがわしい店だと決め付けるのではなく、比較的上品に楽しめる店もある。その点、店選びとイベントの有無の確認が大切」。メイド喫茶と一口で言っても、雰囲気は店により大きく異なるし、時々開かれるイベントも演奏会のように高尚な趣味のものもあれば、セクシーさを売りにした仮装や、えっちなゲームの製作会社のトークショーもあるので、もし上品に楽しみたいのであれば、良く選ぶことが大切である。私はメイド喫茶というものを「面白いからどんどん行きなさい」と手放しで薦めるつもりはないし、前回書いた記事のフォローと読者への注意の為にあえて書き記しておくことにする。巡回順で千円ロスした玄箱探しの時と違い、たまたま私にとってより良い印象の店で第一印象が形作られたのが、前回および今回のメイド喫茶巡りであった。