現実と虚構を識別出来過ぎる男

 「現実と虚構を混同する」のが大嫌いな人がいる。

 彼は、他人が「現実と虚構を混同」して物語の世界に入っているのを見るだけで、虫酸が走るのだ。

 だから、誰かが映画をビデオで見てると「何だ、ただの作り話じゃないか」と言う。

 CG使ってるシーンが出るたびに、「このシーンはCG使ってるんだよ」「現実味がない」などといちいちコメントする。

 緊迫するシーンの横で「あっ、口開けてる、面白い」と他人をからかう。

 クライマックスシーンを見て涙流してる人を面白そうにジーッと見てからかう。

 でも、これは「現実と虚構を混同」している人を目醒めさせるためには、必要な事柄なのだ。

 それがいつかわかってもらえる日が来るまで、その努力は続く。


注:この物語は虚構(フィクション)ではなく、筆者の体験した現実(ノンフィクション)です。登場人物や事件は架空のものではありません。