暗い映画友之會

 「四月物語」という映画を見た。しかし、尻切れトンボの結末で消化不良。

 仕方ないので、口直しに「夢の島少女」を見た。知る人ぞ知る名作だそうだ。つげ義春的な、謎めいた世界だった。小夜子役を演じる中尾幸世はおかっぱ頭のすっぴん美人というのが時代を感じた。ドシラソファミレドとゆっくりピアノを弾きながら、パッヘルベルのカノンの伴奏をうまく付けて「これ、あたしが見つけたの」(くうっ、いいシーンだ)。ケンの役は1970年代らしくヒッピーみたいな長髪だったが、今見るとまるっきりおたくファッションやね(もちろん当時は長髪の方がナウかった)。言葉少なくも純朴な二人が印象に残った。

 続いて「川の流れはバイオリンの音」も。こちらも中尾幸世の独白で話が進行する。ピアノ調律師のA子(中尾幸世)がイタリアに渡って、落として壊したバイオリンを直してもらったり、自分でもバイオリンを作る話。

 昔のフィルムは少々暗い作品も多いが、それはそれなりに深い味わいがあって良い。テレビでも放映されていることがあるので、たまにはいかが。