パソコンは“彼女”?

 いや全く違う!、と声を大にして言いたい。少なくとも私にとっては。
 むしろ私にとってのPCとは、手のかかる赤ん坊のようなものだ。


 とにかく、すぐぐずる。それでも私は“赤ん坊”をあやすのに慣れている方だから、他の人にまで“お守り”を頼まれることが多い。
 それでも、すぐ“いい子”になってくれるPCなら苦労は要らない。“抱いてもさすっても”なかなか“泣き止まない”PCには、ほとほと苦労する。 しかも、やっと寝かしつけたから今のうちと、家を出ると途端に“泣き出して”いたりするのだから始末に負えない。


 それでも人間の赤ん坊は、あの幸せそうな寝顔を見ると世話の苦労などふっ飛んでしまうものだ。しかしPCからは、どうもその“幸せそうな寝顔”なんてものを感じない。
 所詮は血の通っていない無機質な機械、愛を通わすことを求めるのは到底不可能な、物わかりの悪い人間の奴隷に過ぎないのだ。


 LANでは各コンピュータにコンピュータ名を付けなくてはならないが、どうも私は、コンピュータ名に女性名を付ける風習には付いていけず終いである。私の辞書に載っている「コンピュータ」という名詞は、男性形でも女性形でもなく、あくまでも中性形なのだ。