「若者は安易にフリーターの道を選ぼうとしている」か

 ふざけるな。現状を知りもしないのに、他人の受け売りを馬鹿の一つ覚えのように繰り返していい気になるな。自分が正社員であることを鼻にかけて、「正社員にあらずんば職業にあらず、アルバイト・パートは人生の落伍者」などと、堂々と差別発言を繰り返している輩は、明日リストラ解雇されちまえ。そして、自分たちがあざ笑っていたアルバイト仕事でやっと糊口をしのぐしかない現実を自分が体験してみるがいい。

 フリーターの若者が多いのは事実である。しかし、“彼らは正社員として働く気がないぐうたら者だからフリーターになるのだ”というのは偏見である。確かにそういう人も全くいないわけではない。しかし、アルバイト生活を選びたくて選んだのではない人も多いのだ。今の世の中、「不況に便乗したリストラ」「不況に便乗した正社員削減」がはびこっており、正社員よりも、会社としても責任の軽くなるアルバイト社員を雇いたがる傾向がある。本来なら、どこかの会社に正社員として就職したかったのに、求人自体がほとんどないのだから、選びようがない。そしてやむなくフリーター生活を送っているという若者が多いのだ。

 自分が正社員であることを誇ってフリーターを見下しているような人など、仕事というものを馬鹿にしているとしか言いようがない。しかし、たとえ収入が不安定でもしっかり汗水流して働くフリーターがいるなら、その方がよっぽど立派な働き手だ。

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「舊約聖書の神は怒りと憎しみと嫉妬の神、新約聖書の神は愛の神」?

 結論から先に言ふが、それは間違ひである。新約聖書の神も舊約と同じく、怒りと憎しみと嫉妬の神である。他人の受け賣りで上のような文句を言ふ人は、「默示録」だつて、「ハルマゲドン」だつて、舊約ではなく新約にあることを、すつかり忘れて仕舞つてゐる。兩者がどのやうな物であるかに關しては敢へて字數を費やさぬが、この二つの言葉が世界中の人々の恐ろしい想像をかき立てて來たといふ事實を述べるだけで十分だらう。

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