電池を抜いてもCMOSクリアできない

 預かり物のPCが大変なことになった。突然、BIOS設定がいじれなくなってしまったのだ。機種は富士通 FMV DESKPOWER SIII 20B。起動時に[Ctrl]+[Alt]+[ESC]を押せばBIOS設定画面に入れるはずなのに、いくら押してもうんともすんとも言わず、そのままFDDを要求される。なお悪い事に、マザーボードリチウム電池を抜いて半日近く放置しても、設定が全く消えない。

 悩む事何時間。しかしFDブートできることだけが、メーカー修理に出す前の、最後の頼みの綱だ。CMOSはメモリウィンドウかI/Oポートを使ってデータを読み書きしているのだろう。それさえわかれば、DOSからデバッガを使って強制的にデータ書き換えできるはずだ。

 幸い、CMOSメモリマップに関する情報もわかったので、ダメでもともと、挑戦することにした。I/Oポートの70hでアドレス指定、71hでデータの読み書きができるようだ。

 データを書き換えた後、起動してみると、見事[Ctrl]+[Alt]+[ESC]が復活し、BIOS画面に入れた。さっきデータを書き換えた時にはチェックサムまで合わせてなかったので、案の定チェックサムエラーが出て、設定も全部クリアされている。あとは設定をやり直すだけ。めでたしめでたし。上記の様な現象に遭遇した人のためのヒントとして、ここに書いておくことにする。