“気違い沙汰”は“要注意語”だが“差別用語”ではない

 「亀井氏の“差別発言”吊し上げ祭り」が、恐らく今日のマスコミ報道によって一斉に火蓋を切るだろう。

 晩のニュースで、自民党亀井静香氏の「総裁選で小泉首相が落選し、なお総理にとどまるようなことがあれば、政党政治の否定であり“気違い沙汰”である」との発言が報道され、例の「不適切な発言をお詫びします」が続いた。また例によってマスコミの過剰反応だ。そして“気違い=差別用語”という偽りを日本中に広めていく。

 私は以前から、“差別用語”と呼ばないでのセクションで、きちがいという言葉を差別用語扱いするのはおかしいと指摘している。確かにこの言葉は、まるで研いだばかりのナイフの刃のように、一つ使い方を誤ると、人の心を容易に深く傷つけ得るから、使い方には気を付けなくてはいけないのは当然だ。その点で“要注意語”というのは正しい。しかし、そういう言葉に“差別用語”というレッテルを貼るのは、いかがなものだろう。

 上に挙げた亀井氏の発言は、別に精神障害者を馬鹿にしたものではなく、落選しても総理のままだと主張するのは血迷った行動(=この文脈での「気違い沙汰」の意味)だという意味に過ぎない。それを、精神障害者差別をわざわざ引き合いに出して“差別発言”扱いするのは、極端ではなかろうか。

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