「つの付く年齢」って何歳のこと?


 私のプロフィールページには『女の子のイラストを描くのが好き。特に、数字の後に「つ」の付く年齢の。』と書いていますが、これは、はてなハイクみんなが一瞬でドン引きする魔法の言葉というキーワードに投稿したネタが元々のきっかけです。
 やっぱり、「のイラストを描くの」の部分を飛ばして読んでしまう人が多いせいか、それともいい年した成人男性がちっちゃい女の子をイラストの題材にする事自体あまり市民権が得られてないのか(※ただしイケメンを除く)、本当にみんなが一瞬でドン引きする魔法の言葉というか、物議を醸しそうな文句ではあります。
 しかし、「どうしてオタク文化ではちっちゃい女の子のイラストが好んで描かれるのか」という疑問を以前から抱いていて、その答えを得るべく調べていたり、自分自身もそんなイラストが上手に描けるようになりたいというのが子供の頃からの夢だった事もあり、あえてそのフレーズを使う事にしたのです。

「つの付く年齢」とは?


 「いち、に、さん…」には「つ」は無いし、「ひ、ふ、み…」は「いつ」に「つ」が含まれるから、もしかして5歳のこと?
 いいえ、違います。「ひと『つ』、ふた『つ』、みっ『つ』、よっ『つ』、いつ『つ』、むっ『つ』、なな『つ』、やっ『つ』、ここの『つ』」の「つ」の事です。ですから、1歳〜9歳という事になります。
 単に「『つ』の付く年齢」と言うより、「数字の後に『つ』の付く年齢」とか「『つ』で数える年齢」と呼んだ方がわかりやすいかも知れません。
 私が初めてこの言葉を知ったのは、はっきりとは覚えていないのですが、子供の教育に関する話を本で読んだか講演で聞いた時だったように思います。「子供の教育や躾は『つ』の付く年齢のうちが肝腎だ」という使い方で、「なるほど、これは興味深い表現だ!」とずっと記憶に残っていたのでした。確かに、新聞で名前の下に括弧書きで年齢が書かれる時も、一桁の年齢の子は「(九つ)」のように「つ」を付けて書くことが多いですね。
 「『つの付く年齢』という文句はロリコン系のオタク文化が発祥なの?」と思ってる人もいるかもしれませんが、恐らくその可能性は低いと思います。細かい事を言うと、オタク文化でも、「つの付く年齢」の女の子のイラストは、一般的な可愛らしさを表現している事の方が断然多く、変質者みたいな視線で描かれた作品は全体からすると少数派です。その話はともかく、私の知っている範囲では、オタク文化ではこの年代の子は「一桁」とか、女の子の場合「幼女」とか「ょぅι゙ょ」と表現されるのが一般的で、「『つ』の付く年齢」なんて気の利いた表現はほとんど目にした事がありません。

「つの付く年齢」を描く魅力とは


 私の知り合いの、女の子を育てた事のある人からは、「ちっちゃくて可愛い洋服を洗濯して干すのが毎日の楽しみ」とか、「パパ、パパと懐いてくれるのはこの時期だけ」なんて声をよく聞きます。テレビの世界でも、芦田愛菜ちゃんとか、ちょっと前だと大橋のぞみちゃんのような子役もお茶の間の人気を博しています(男の子も鈴木福君をはじめ人気者が多いですね)。多くの人は、ちっちゃくて可愛い子とか、自分に無邪気な親しみを示してくれる存在を見るだけで、目尻が下がって頬が緩むものですが、それはごく自然の感情と言えるでしょう。
 また、「はじめてのおつかい」という番組をテレビで見たことのある人もきっと多いでしょう。歩き疲れたり、店員さんにうまく説明できなかったり、荷物が重かったり、時にはべそをかいたりと苦労しながらも、ちっちゃいながらも一生懸命努力する姿は、とても「けなげ」で「いじらしい」ものです。
 それに、子供は大人時代を経験した事がありませんが、逆に大人は誰もが子供時代の経験者です。幸せだった子供時代にしろ、つらかった子供時代にしろ、昔を思い出しながら、昔の自分と重ね合わせて見る、そんな人もきっと多いかもしれません。
 そんな魅力を、イラストという形で表すことができれば。これが私の思いですし、同じように「つの付く年齢」の子のイラストを描いている多くの人もきっと、同じような魅力を表現したいと思っているのではないでしょうか。
 さて、「つの付く年齢」と言っても男の子もいれば女の子もいますが、どうして敢えて女の子のイラストが中心……? その謎は、以前私が書いた記事、どうして女の子のイラストばかり描くの?をご覧下さい。


 さて、オタク文化圏でも「可愛い一桁の年齢の女の子のイラスト」を描ける人は多いのですが、私個人の意見としては、それがただオタク文化圏だけに留まっているのは、ちょっと勿体ないな、という気もします。
 ですから、芦田愛菜ちゃんとか「はじめてのおつかい」とかを普通に「わあ可愛い」と喜んで見る層にも、普通に楽しんで見る事の出来る、そんな「『つの付く年齢』の女の子のイラスト」を目指したい、というのが私の目標。まだまだ下手で目下特訓中なので、いつその目標に到達できるかは未知数ですが……。