小6の時、親に内緒で学校で「ギャグ」の出し物をやった話

私が小6の頃のある日のこと、母に、学校のお楽しみ会で私が何をやるのかと聞かれました。今より語彙の少なかった私は、「ギャグ」と答えました。
すると、驚いた事に、両親の顔の色が変わったかと思うと、すぐに家族会議が始まったのです。そして、父も母も「そんな下品なものをやるとは何事だ!」「そんなのやめなさい!」と、ヒステリックに怒り出しました。私が具体的にどんなネタをやるのかも聞かずに、です。
今思うと、恐らく両親は、私がドリフやひょうきん族みたいなああいうギャグでもやるつもりだと誤解したのでしょう。これらは、今でいう「クレヨンしんちゃん」以上に、一部の親には猛烈に叩かれていました。でも、私はまさかそういう誤解が原因なのだろうとは思ってもみませんでした。とは言っても、それにもし気付いたところで、一旦燃え上がった火を消す事は、まだ子供だった当時の私には到底無理な話でしたし、そんな余裕もまずありませんでした。
さて、親に言われてやめる事になったとなると、親の体面に関わるとでも思ったのでしょうか、両親は言いました。「もうやると言ってしまったのなら仕方ないから、下品じゃない洒落とかにしときなさい。"しっぽが白くて、面白かった"、それでいいじゃない」。
「はい、はい、そうします」。仕方なく私は答えました。でも、当然ながら、私はその「押し付けられたくだらないネタ」を使う事はありませんでした。
そして本番当日。私は圓樂さんみたいに司会、そして友達は笑点メンバーを真似て回答者を演じながら、「笑点」という出し物をクラスのみんなに披露しました。「ギャグ」の正体とは、この「大喜利」のことでしたが、教室は笑いと拍手が湧き、大成功のうちにお開きになりました。でも「このことは両親にだけには絶対教えてやるものか」と思いました。本当は「笑点」が好きで、日曜夕方になるとよく見ている両親であったとしても。
※この物語はどう見てもフィクションにしか思えませんが、それでもノンフィクションです。