C57、房総半島を走る・ふたたび

C57、房総半島を走る - 「変人」は褒め言葉の続きです。
「SL 春さきどり号」の走る最終日。今日は撮影ポイントを変えて挑戦。小櫃川(おびつがわ)にかかる鉄橋の近くで、「汽車と鉄橋」という組み合わせに挑戦。
新聞で紹介されていたスポットだったからか、昼過ぎには既に見物客の車がいっぱい来ていました。私は一時間くらい前に現地入りしましたが、道は路肩に駐車してる車でいっぱい(まァ田舎なので路上駐車できる場所はいっぱいあります…が、交通の妨げにならないよう注意しましょう)。そして、例によって大きな一眼レフカメラを持った人がいっぱい。
私は小櫃川の土手に陣取ることにしました。何と、小櫃側にかかる鉄橋を何の障害物もなく見渡せる場所です。これは良い撮影ポイントになりそうです……
……と思いきや、鉄ちゃんっぽい雰囲気の人もあまりいません。子供連れの家族とか、コンパクトデジカメを持った中高年とかばっかりです。なぜ鉄ちゃんが敬遠するのか、周りを見渡してすぐわかりました。左側にある桜の木と大きな鉄塔が邪魔で、左(上り方面)からやって来る汽車を正面から撮ると、きれいに写らないのです。

撮影ポイントに着いてしばらく経つと、汽笛を鳴らして、一両だけの機関車がやって来ました。DE10、オレンジ色のディーゼル機関車です。木更津駅には転車台がちゃんと残っている(そして今でも現役で使われている?)ので、木更津駅に到着した蒸気機関車の向きを反転させて千葉みなと駅に戻る事ができそうなものですが、残念ながら、千葉みなと駅の方に転車台がありません。そこで、転車台を使わず、蒸気機関車は後ろ向きのまま、このディーゼル機関車で引っ張って千葉みなと駅に戻るのだそうです。
私の隣にいたのが、コンパクトデジカメを持った中年のおば様。SLが好きみたいで、自宅の窓から撮影したC57の写真を見せてくれました。試運転の時にも見に行ったのだとか。うらやましい。
そして、その反対側の隣には、若い夫婦とちっちゃい息子と娘という構成らしき家族が来ていました。話を聞くと、はるばる横浜からやって来たとのこと。姉ヶ崎駅構内で途中停車中のSLの写真を撮る予定だったのが、千葉県に来たら小櫃川のほとりに迷い込んでしまい、ここは景色が良さそうだからと予定変更したのだとか。駅の中は混雑していそうなので、ある意味正解だったかもしれません。パパさんは鉄ちゃんらしく、一眼レフカメラを持ってきていましたが、今日は家族サービス重視のようでした。
あの中年のおばさまと、鉄ちゃんなパパさん、そして私の三人という変わった取り合わせで、しばしの間、鉄道談義に花が咲きました。

待ちくたびれてきた頃、ようやく、遠くから汽笛の音が聞こえてきました。今度こそ内房線普通電車でも特急さざなみでもなく、紛れもなく蒸気機関車の汽笛です。

と思いきや、ハプニング発生! 上り普通電車がやって来ました。もしかしたら、良さそうなポイントを確保していたにもかかわらず、上り普通電車に邪魔されてうまく撮れず、残念な思いをした人もいるかもしれません。
でも、場所によっては「蒸気機関車と普通電車のすれ違い」という珍しい光景を思いがけず写真に収めることができてニコニコ(ニヤニヤ?)できた人も、きっといたかもしれません。

そして、小櫃川にかかる鉄橋の上を、あっという間に通り過ぎていきました。(はてなフォトライフには、連写モードで撮影した、上以外の写真もアップしています。例によってクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに従って公開するので、見るなり焼くなりご自由に。)

静止画像だからこそ、大きく伸ばして焼こう

と思って地元のコイデカメラに行ってみると、SL撮影キャンペーンの真っ最中。特別価格でA4版を焼けるキャンペーンとか、額縁のセールとかをやっていました。慣れた腕でSLの写真を撮った鉄ちゃんなパパさんとか中高年とかが次々とやって来て、写真註文機でメモリカードの中の写真を選んでいたり、焼き上がった写真を受け取ったりしていました。
店内にも、上手なカメラマンの撮影したSLの写真がいっぱい。さすがプロの写真は違います。店に来ていた客の写真も、プロ級の出来映え。自分の腕の未熟さをつくづくと感じさせられました。
今回の私の写真はどこがダメな部分だったか? それは、「汽車の正面が全然写っていない」の一言に尽きます。プロの写真は、正面からにしろ斜めからにしろ、ほとんど、ちゃんと正面が見える位置で、ヘッドマークもくっきり写る、そんな感じでした。恐らく、昨日の撮影ポイントで静止画を撮影していればバッチリだったでしょう。
こういう細かいことは、やはり経験を積んでみないとわからないもの。来年こそは、今年よりもっといい写真を撮ってみたいものです。