個人で当座預金を開設する方法?

 「当座預金」というと、小切手や手形取引のために法人(株式会社等)が審査を経て開設するもので、我々個人とか個人商店等にはあんまり関係ない、と思い込んでいました。
 ところが最近知って驚いたのですが、個人でも比較的簡単に開設できる「当座預金」名目?の口座も存在するようです。
(注意! あらかじめ断っておきますが、これは飽くまでも名目上のものであり、個人でも会社みたいに小切手や手形を発行できるという意味ではありません。悪しからず。それに、普通預金と違って利子は付きません。なので、名前が恰好良い以外は個人にはあまりメリットがないかもしれません。)
 それは、「ゆうちょ銀行に振替口座を作る」ことです。今年からゆうちょ銀行(旧・郵便貯金)の口座に他の銀行から振込できるようになりましたが、ゆうちょ銀行の「振替口座」(旧・郵便振替口座)は、他行から見た場合に限り、「当座預金」という扱いなのです。
 振替口座を持っていると、通常の振替口座番号(あの払込用紙にある番号)とは別に、「他金融機関からの振込用口座番号」ももらえます。たとえば「ゆうちょ銀行 〇一九店 当座 0123456」といった具合です。(なお、支店名は郵便局の支店名とは違って、漢数字の番号になっています)
 もちろん、その口座に他行から振り込む事もできます。振込手数料は振込元の金融機関によって違いますが、これまで他行へ振り込む時にかかっていた振込手数料と同じです。たとえば、新生銀行みずほ銀行へは300円(ネットバンキングの場合)かかりますが、新生銀行→ゆうちょ銀行も同じく300円です。
 加えて、個人商店など個人事業主や、法人でない何かのグループの場合でも、口座の名義に「別名」を設定することができます。たとえば「鈴木太郎」さんが「鈴木青果店」を営んでいる場合、「鈴木青果店」を口座名義の別名にできます。「鈴木青果店ネットショップ」で買ってくれたお客さんに送る払込用紙の名義を「鈴木青果店」にできますし、銀行振込で払いたい場合でも、名義は同じく「スズキセイカテン」になります。
 なお、口座の名義に別名を使用する際には、本当にその屋号での活動をしているのか審査があります。それを示すための書類を求められるので、用意しておく必要があります。個人商店なら、名刺とかチラシとか電話帳広告の切り抜きあたりで大丈夫なようです。同人サークルみたいなグループの場合はよくわかりません(会員規約と発行物あたりでしょうか?)詳しくは、郵便局でご確認ください。

受け取る側は?

 さて、ゆうちょ銀行の振替口座には、通帳がありません。残高はどのように知るかというと、払込用紙での入金や他行からの入金があるたびに、郵便で知らせてくれるのです。




 他行から「シケン123(あとの部分は本名)」という名前で1,000円を振り込んでみた時に送られてきた振替受払書です。他行からの振込は「電信振替」扱いで処理されるようです。


 とは言え、振替口座の一番よく使われる用途は、やはり払込用紙による入金です。次回は、それがどういう仕組みなのかについて探ってみたいと思います。