「脳トレ」に飽きたら「萌えドリル」

らき☆すた 萌えドリル (通常版)

らき☆すた 萌えドリル (通常版)

遅ればせながらやってみました。「らき☆すた 萌えドリル」。
脳トレ系等の教育ソフトと子供向けソフトが主流のNintendo DS*1で、珍しい萌えキャラを使ったソフト*2ということで、名前自体は以前から聞いていたのですが、「まあ、どこにでもあるような平凡なギャルゲーだろう」と、これまでは全く食指が動きませんでした。


そんなある日、千葉県鋸南の「夢のカレー」という名前の、B級グルメマニアには結構有名なカレー屋さんに入ってみた時のこと。註文したカレーが出来るまでの待ち時間をつぶそうと、店の書棚をのぞいてみると、何とまあ、びっくり。ゲーム雑誌が十冊くらい並んでました。それもただのゲーム雑誌じゃあ、ありません。表紙にかわいい女の子のイラストが……と言えば、どんな雑誌かピンと来るでしょう。マガジンやジャンプを置いている食堂はあちこちにあるけど、まさか萌え系雑誌を置いている食堂、それもおじいちゃん、おばあちゃんの経営してるような食堂で、こんな光景を見ようとは。
こんなわけで、これまでテレビアニメで一度見たきり全然見てなかった「らき☆すた」の原作漫画を初めて見たり、それに、おととしあたりのバックナンバーだったからか、「らき☆すた 萌えドリル」の詳しい紹介記事も、この時初めて見ました。「脳トレ」に似た計算問題を、「らき☆すた」のキャラクターとの対戦で、答え方も「脳トレ」と同じくタッチペンで書いて答える、といった内容のソフトなのだとか。


それ以来気になっていたこのソフトを、ようやく手に入れたのがつい最近のこと。計算問題をひたすら解く「ひたすら☆どりる」と、らき☆すたキャラたちの演じるドラマの合間合間に計算問題が出てくる「どらま☆もーど」の二種類があって、前者は(萌えキャラアレルギーさえなければ)誰でも楽しめるかもしれません。
淡々と問題をこなしていく真面目な「脳トレ」もいいのですが、「萌えドリル」はひと味違います。コンピュータと対戦しているというだけで、緊張感がまるで違います。しかも対戦相手の声付きというのがすごくユニーク。相手が優勢だと「余裕、余裕」と言っていたり、逆に相手が劣勢だと明らかに焦った口調に変わったりといった具合で、場を盛り上げる大きな要素になっています。特定の難しい問題に正解できると相手が三回休み、等の特別ルールをうまく利用すれば、強敵もクリヤしやすくなります。
それにしても問題の難易度は、脳トレに比べてやや高めです。たまに三桁÷二桁の割算の暗算みたいな難易度の高い計算も出てきますが、こんなのすぐにはできないよー、と叫びたくなってしまいます。掛算九九はもちろんのこと、足算も九九(つまり1+1〜9+9までを全部暗記する事)で暗記して即座に答えられるくらいでないと、なかなか手強い。この点、小学生の頃にそろばんを習ってた人はお手の物でしょう。
そういえば、この「ひたすら☆どりる」の雰囲気は、何だかアーケード版対戦ゲームっぽい雰囲気もどこかにあるような気がします。もしゲーセンにこのゲームのアーケード版が仮にあったら、私だったらつい熱中してしまいそうです。


「どらま☆もーど」ですが、こちらは、おたくネタを知らないとわかりづらい内容も多いので、あまり一般人向けとは言えませんが、知ってる人にはとても面白いでしょう。途中、メイド喫茶とか、秋葉原に実際にある店舗や、その店舗のマスコットキャラクターなど、おなじみの風景やキャラクターが登場するのは、実際に秋葉原に行ったことのある人には、何だか身近なネタでうれしいもの。すみません、一つだけ文句言わせてください。まるで他の同人誌ショップには子供は入れなくて「とらのあな」なら大丈夫、かのごとき表現がありますが、「とらのあな」の同人誌コーナーに子供は連れて来ちゃいけないでしょう。現実世界の店舗だと、とてもお子ちゃまには見せられないような本と一般向けの本とが隣り合って売られているような場所のはずだし、入り口にもそう書いてあるはずなのですが(現実がこのゲームの世界と同じだったら…というか、せめて一般向と成人向で売場を分けてくれるだけでも、どんなにありがたいか)。
それに、ゲームの中の店内に「Shuffle!」という、家庭用ゲーム機版だとCEROで「15歳以上向」指定になったゲームの等身大POPが飾ってあったり、クレジット表記によると「サーカス」ブランドの美少女ゲームのキャラがこの先出てくるっぽい?(私はこのブランドのゲームをやった事もアニメ版を見たことも無いけど、恐らく「D.C.」あたりだろうか?)のに、このゲーム自体はCEROで「全年齢」指定というのも、何だか奇妙と言えば奇妙です。審査基準っていったいどうなってるんだろ?
クレジット表記といえば、これだけは今から楽しみ。どうやらこの先「びんちょうタン」も登場する可能性がありそうです。こういう、他のおなじみのキャラクターとのコラボというのも面白い試みですね。


なお、オープニングアニメーションも見所。紙芝居的というかFlashアニメ的なリミテッドアニメーションながらも、小気味良いほど細かく画面が切り替わりながら動く上に、ちゃんと歌も入っているという凝りよう(なお、「らき☆すた」アニメ版とは違う歌です)。


結論。今回レビューしたゲームは、以下の方におすすめです。参考になさってください。
・萌えキャラに抵抗がない。
・おたく文化についてある程度の知識がある。
・暗算は比較的得意な方だ。
・他人と対戦すると燃える方だ。
キャラクターの可愛らしさに「はにゃ〜ん」となってしまう「萌え」要素と、キャラクターとの真剣勝負に熱く燃える「燃え」要素とが、絶妙な具合にブレンドされた、萌え系ゲームの中でもユニークなソフトだと思います。


また、私自身はまだやっていないのですが、このゲームの続編も出ているようです。参考まで。

真・らき☆すた 萌えドリル~旅立ち~(通常版)

真・らき☆すた 萌えドリル~旅立ち~(通常版)

追記(2007/06/28)

 しばらくやってみましたが、萌えがメインで学習はオマケどころか、計算問題部分が結構本気な作りなのには、とにかくビックリです。
 何と言っても、対戦キャラクターの一人の「パティ」が、めちゃくちゃ強過ぎ。もーどーにかしてくれ、って感じ。
 他のキャラだとほぼ余裕で連戦連勝(ただ、みゆきが段々パティ並に強くなってきて、またまた大変)なのに、パティに限ってはかなり手強い相手です。
 2桁×1桁でおまけに繰り上がり付きの掛算とか、3桁÷2桁の割算が、黄色い色(相手が先に答えると3回休み)でやって来るのが、おゝコワイ。
(でも、「どらま☆もーど」では、パティを自分の味方に付けてしまえば逆に頼もしかったりしますが。片言の日本語で応援してくれるし。)
 最近は「○○(=アニメやゲームの女性キャラ)は俺の嫁」、つまり「○○は俺の嫁にしたいくらい大好き、可愛い、萌え」なんて表現が流行ってるけど、私の場合、「パティは俺の嫁」ならぬ、「パティは俺の手強いライバル」です。
 「恋人」とか「妹」じゃなくて「ライバル」。こんな気持ちになれる二次元萌えキャラって、これまであまりなくて、何だか新鮮ですね。

*1:最近の任天堂は良い意味で大人も楽しめるソフトが増えてうれしい限りです。まあ、任天堂は元々花札屋から始まった会社だから、大人が楽しめるゲームを知っててこそ任天堂、という気もしますが。

*2:実は、任天堂ハードで動く萌え系ゲームって、過去にも少数ながら出てたりします。ゲームボーイ用の「サクラ対戦GB」、ゲームボーイアドバンス用の「あずまんが大王アドバンス」「デ・ジ・キャラット でじこミュニケーション」「シスター・プリンセスRe Pure〜」とか。