白墨もマーカーも要らない黒板、チョークレスボード

 テレビCMでやっていた、パイロットの「チョークレスボード」。どんなものなのか気になったので購入してみました。サイズはB4サイズからオフィス・学校用の大きな黒板までいろいろありますが、とりあえずB4サイズを買ってみました。


左:標準ペンで描いたサンプル。
右:ペンの太さのサンプル。下にあるのは奥から手前に、附属のペン(細字)と別売のツイン(細・太)ペン、附属の黒板消しと別売の大きな黒板消し、クリーナーとメンテナンスプレート。

原理

 黒板の面には、緑色と白色に塗り分けられた小さな磁石の粒がたくさん入っています。磁石でできた専用ペンで文字を描くと、緑色から白色に反転して文字が浮かび上がる仕組になっています。
 黒板消しも磁石です。ペンとは逆の極性になっていて、黒板を拭くと白色から緑色に戻ります。
 簡単な話が、タカラトミー(旧・タカラ)の「おえかきせんせい」の技術をもっと高度にしたものです。このおもちゃもパイロットのOEMなんだとか(言われてみればパイロットは万年筆や事務用品だけでなく、「メルちゃん」など幼児玩具もいろいろ売ってますね)。チョークレスボードは「せんせい」より細い線が描ける上に、部分消しが可能です。

長所

  1. とにかくクリーン。白墨の粉が飛び散らないし、ホワイトボードマーカーの溶剤のにおいもしません。黒板消しも掃除せずにいつも綺麗なまま使えます。
  2. ペンは半永久的に使えます。白墨やマーカーを定期的に補充する必要がありません。
  3. 指で触っても文字が消えません。勝手に消されては困る、店先の案内板に良いかもしれません。
  4. 白墨より細い線を描くことができます。太いペンを使えば太い字も書けます。

短所

  1. 価格は普通の黒板やホワイトボードと比べると割高です。ただし、白墨やマーカーを今後買わずに済むので、使用頻度が高いなら割安と言えるでしょう。
  2. 文字の色は白だけしか使えません。なお、オプション品を買うと、緑と白を反転させて、白色の板面に緑色の字を書けます。そこに普通のホワイトボードマーカーで赤や青など別の色で書く事は可能ですが、頻繁に別の色を使うなら普通のホワイトボードの方が使い勝手が良いでしょう。それに、反転させた白地はあんまり綺麗な白地には見えません。
  3. 文字の白色が普通の黒板よりも薄めです。普通の白墨と同じくらいくっきりした白色にこだわるのなら、あまりおすすめしません。
  4. 指で触っても消えないのは短所でもあり、指でチョコッとだけ消す技が使えません。面倒でも黒板消しを使わないと字が消えません。
  5. 磁石で紙を貼ると、磁石でとめた部分の色が白または緑に変わってしまいます。チョークレスボード専用マグネットを使っても同じです。また、普通の磁石や、特にマグネットシートは吸着力が弱くて落ちてしまう事があります。
  6. 黒板もペンも黒板消しも磁石でできています。フロッピーディスクやカセットテープや磁気カードなど磁気記録メディアを置いてある部屋では取り扱いに注意する必要があります。特に子供のいたずらには注意。
  7. 使っていくうちに帯磁してしまい、黒板消しで消しても薄く跡が残ってしまう事があります。定期的にクリーナーやメンテナンスプレートで清掃する必要があります(簡単にできます)。
  8. 黒板に標準で附属のペンは線が細いし、速く書くと線が薄くなってしまいます。標準で附属の黒板消しは小さいので、全体を一気に消すのは大変です。クリーナーを黒板消しの代用にはできますが、右に動かすと白、左に動かすと緑に変わるという仕様なので、少々使いづらいです。別売の黒板消しと太いペンも一緒に入手する事を強くおすすめします。