ドラえもんで同人誌の話

 先週のドラえもんで同人誌の話が出ていた。と言っても、のび太同人誌即売会に行くという話でも、同人誌専門店に行くという話でもない。読む側ではなくて作る側である。
 執筆者はジャイ子(筆名はクリスチーネ剛田)と茂手モテ夫。当初はジャイ子がモテ夫に片想いするだけで、モテ夫はジャイ子の事など全然気に掛ける風でもなかったが、ジャイ子が描いた漫画をモテ夫が読んだ事で事態は進展した。幸運にもジャイ子の漫画の才能は発掘され、二人は同人雑誌を作ることになる――という、まあ良くも悪くも大層都合の良い展開である。


 昨今は、同人誌の販売でいくら儲けたとかいうゲンナマがらみの話とか、男の同人誌ファンは大抵ロリコン漫画が好きだとか、女なら大抵少年愛漫画が好きだとかいう一方的な先入観で語られる事も多い。
 しかし漫画同人誌の本来の姿とは、作る喜び・表現できる喜び・みんなと漫画を通じて交流できる喜びといったpricelessな部分が主な動機であるべきだと思うし、大人とかおたくだけの趣味ではなくて、子供も大人も、誰でも漫画を描く事・読む事が好きなら気軽に参加できる、そんな姿が理想ではないだろうか。
 こういう、藤子不二夫の青年時代には当たり前だった、本来の古き良き漫画同人の世界が、テレビでちゃんと紹介されたという事は良い事だと思う。また、私もそういう本来の意味での漫画同人活動を応援していきたいし、機会があったら自分もクリエイターの側に回って参加してみたいものである。