在日外国人に「メイド喫茶」はどう紹介されているか

 今日、たまたまThe Daily Yomiuri紙を読んでビックリ。12面、つまりちょうど真ん中のページで、「『メイド喫茶』の与える安らぎ――そしてファンタジー」という題で、1面を割いて「メイド喫茶」に関する特集記事が書かれていた。

 なお、同じ内容がDaily Yomiuri On-Lineのサイトにも掲載されていた('Maid cafes' offer relaxation and fantasies)。ただし英語である。(注:現在は消滅)

 内容を簡単に紹介すると、電気街として知られている秋葉原にここ3年の間「メイド喫茶」が増加し、約20あることや、カップルや女性の集団、男女社員や家族も来るが、ほとんどの客は男性であること、という紹介に始まり、クラシックなCure Maid Cafeや、カウンターでウェイトレスと話せるぴなふぉあ、イベントでたとえば"beer girl"のユニフォームを着たりするCos-chaなどと店毎に様々な特徴があること、メイドのどこに惹かれるのか、等について説明されていた。

 ところで、メイド喫茶って、軽薄、不純なものだろうか。私は「場合によりけり」だと思うが、この記事では「メイドとエロティシズム」という副見出しのもと、こういう漫画やアニメやゲームの世界のメイドはエロティシズム的含みがあると解説していた。あのねえ、そんな単純ではないんだけど、と突っ込みを入れたいところ。

 確かに、主人にエッチな事も含め何でも服従する存在として、メイドをエロティシズムを含めて描く作品も少なからずあるけれど、そんな作品ばかりが全てではない。それに、一方で単純にメイド服が可愛いとか、私のように懐古趣味だったり、同じメイドさん萌えでも幼い純愛みたいな憧れの気持ちとか、まあ同じメイドさんでも十人十色のとらえ方があるものだ。さっき挙げたうちの一部はこの記事にもちゃんと書かれていたので、メイドさんと聞くと知ったかぶりで何でもエロに結びつけて書こうとするトンデモ記事よりは、まあ、まだましな方かなといったところだが(似た例では「猫耳」もそうで、主人に飼育された存在という暗喩を含めて描く作品もあれば、単に猫のような可愛らしさや気まぐれさの象徴として描く作品もあったりする)。そんなわけで、この記事は細かな点では私の意見と違う部分があるものの、全体的には、興味本位でおたく文化を扱う一部マスコミやアンチおたく派と違い、比較的真面目に調査・取材して書かれた文章という印象を受けた。

 とは言え、私がいろいろ噂に聞くところから総合すると、一部の店について言うなら、まるで昭和初期のエロ・グロ・ナンセンスの時代(なお当時は「エロ」とは今と違い「お色気」くらいの意味だった)にカフェーがたどったような道(当初は単なる喫茶店であったカフェーは、一部の店が可愛い女給を入れるようになってからお色気路線の店が増え、最終的にはお酒を女の子がそばでついでくれるような怪しい店に変わってしまったそうである)をこれからたどるのではないかと心配でならないし、その萌芽が見え始めている。でも、人がメイド喫茶に求めるものは十人十色、私のようにレトロ趣味な人やアンティークファッション好きな人もいるし、普段見られないメイドの仮装を純粋に面白く楽しんでいる人、「求めるのはエロではなく(健全な)萌え」という人も決して少なくないはず。純喫茶的で真面目に楽しめる純メイド喫茶も、今後とも是非残って欲しいものだ。