「愛の精神医学」 〜 反精神医学という考え方がある

愛の精神医学

愛の精神医学

 「反精神医学」という考え方があるそうだ。一言で言うなら、「精神病という病気は無い」という考えである。いわゆる精神病者は、病気なのではなく、単に社会のルールから外れているために、周囲の人が「社会秩序を乱す者」と考え、病気というレッテルを貼って精神病院に閉じこめるのだ、という。

 もっとも、この考えには反論も多く提出されている。とは言え、この考えは精神医学の世界に新しい風を吹き込んだと言えるかもしれない。ただ単に隔離して閉じこめるだけの精神医療という時代は、過去の物となりつつあるらしい。

 私自身は精神医学の世界について、あまりよく知らない。しかし、従来の精神医療を見直そうというムーブメントがあったということは、知る事ができた。もし精神医学の研究者であるなら、私よりももっと興味深く読むことのできる本かもしれない。

本日紹介した本:「愛の精神医学」野口昌也 著、批評社 発行。(注:この本のISBNコードは無い。また、批評社のウェブサイトには現在、この本に関する紹介は無い。)

2003/10/02追加:私は訳あって、この本をとあるルートで前もって入手していたのだが、とうとうこの本が正式に発売されることになったようだ。ISBNコードは4-8265-0378-4、現在批評社のウェブサイトにも情報が掲載されている。