クレジットカード・べからず集

 私は借金というものが大嫌いなのですが、インターネットを使っていると、やはりクレジットカードは重宝します。私は「一括払い原理主義者」なので、これまで一度も分割払いを使った事がなく、カード会社としてはあまりうま味のない利用者かもしれませんが。

 ところで皆さん、カード会社からの請求書は毎月チェックしているでしょうか。以前、チェックしていないという人に出会ったのには驚きました。「いつもより請求金額が高めなんだけど、どうしてだろう?」と相談されても、請求書を捨ててしまっていては、わかるはずがありません。この時は、最終的にその人も何を買ったのか思い出したので解決したのですが、請求書は捨てないで必ず毎月チェックしましょう。

支払いを延ばし延ばしにするべからず

 「クレジット」とは「信用貸し」という意味です。宝石やバッグや金時計といった質草や、土地家屋といった担保が要らない代わりに、「きちんと金を返せる人か」という信用によって、カードを持てるかどうか、持てるならいくらまでの買い物ができるかが計られます。

 請求額をすぐに支払い、遅延のないようにしましょう。このようにしてコツコツと信用を築いていくならば、将来、カーローンや住宅ローンのように大きな借金をする時に、有利になります。

他人に貸すべからず

 他人に貸す事は固く禁止されています。万一、他人に貸して勝手に使われてしまった分は、あなたが代わりに払う義務があります。

 大体、こうやって人にカードを借りようとする人のほとんどは、人から金を巻き上げようとしているか、浪費癖があってカードの限度額一杯まで使い込んでしまっているかの、どちらかです。後者の場合、カードを貸さないことこそ、その人に対する本当の気遣いであり愛です。たとえその人が信頼の置ける人であったとしても、突然リストラされたり重い病気になったり死んだりして、どうしても返済能力がなくなってしまった時のことを想像してみてください。

 それに、他人にカードを貸して悪用された時、信用情報に汚点の付くのはその人ではなく自分自身です。たった一度他人にカードを貸したばっかりに、何年か後に必要なカーローンや住宅ローンを組めなくなるなんて事態を想像してみてください。

カード番号や有効期限をみだりに他人に教えるべからず

 「どうぞ勝手に使ってください」と言っているようなものです。通信販売やネットショッピングでは、この二つがわかればサイン無しで物を買えます。

 取引明細等の書類にカード番号や有効期限が入っているなら、それは機密文書です。そのままゴミ袋に入れて捨ててはいけません。シュレッダーにかける、燃やすなどして処分しましょう。

請求書の確認を怠るべからず・請求書を捨てるべからず

 世の中にはカード詐欺というものがあります。万一、身に覚えのない請求があっても、カード会社からの請求書を捨ててしまうと、証拠がなくなってしまいます。「いつもより何万円か高く使っちゃったみたいだけど、まあ、いいか」で済む問題じゃありませんから、毎月、必ず明細を確認しましょう。本当に身に覚えのない請求なら、カード会社にクレームを付ければ、その分の引落しを止めてもらえます。

 なお、明細には、必ずしもわかりやすい名前で取引内容が書かれていないことも、時々あります。例えば、カード会社の加盟店ではなく、カード決済代行業者を通して売上金を回収しているオンラインショップの場合、オンラインショップ名ではなく代行業者名で記載されています。ネットショッピングでは、取引をするごとに、その明細をメモするなり紙に印刷するなりしておくと、どの明細がどの時のものなのか、後でわかりやすくなります。

紛失した時、届出を怠るべからず

 万一カードを紛失したなら、すぐにカード会社と警察に連絡しましょう。勝手に使われてしまっても盗難保険がききますが、面倒くさがって届け出なければ、あなたが代わりに払わなくてはなりません。カードが盗難された時、何十万円ものキャッシングに加えて、金券や高級ブランド品を何十万円分も勝手に買い込まれてしまうことは、珍しいことではありません。その分の損害を自分で補填するはめにならないようにしましょう。

払うあてがないのに使うべからず

 横文字だと何となくハイカラに聞こえますが、「クレジット」は「信用貸し」、「キャッシング」は「借金」です。「一括払い」は「つけ払い」、「分割払い」は「月賦」です。

 「カードの引落口座の現在の残高を考え、余裕を持った範囲内で使う」ことが大切です。カードの引落日までに残高がどれだけ残っているか、大雑把な計算で良いのでシミュレーションしましょう。引落日には、請求書の金額分以上は必ず銀行に残っているべきです。

 現在払えるだけのお金がない時は、つけ払いや分割払いを利用したい誘惑が待っていますが、余計に慎重になりましょう。計画性のある最低限の借金は生活を助けますが、衝動買いの借金や借金癖は身を滅ぼします。それはどうしても今すぐ本当に必要なものですか。引落日に絶対払える当てはありますか。お金が入ってから買っても十分間に合うものなら我慢しましょう。「いますぐ買って、後で払えばいいや、金は天下の回りもの」などと安易に考えてはいけません。

 とにかく大切なのは、毎月いくら支払っているのか、きちんと認識することです。便利な道具とするか、浪費を誘う道具とするかは、利用者の使い方次第です。