「速達」は同日ないしは翌日に届くか?

 ここでクイズを出す。東京都千代田区外神田(101-0021)〜大阪市浪速区日本橋(556-0005)と、千葉県木更津市中央(292-0067)〜静岡県浜松市砂山町(430-0926)の、どちらが早く郵便が届くだろうか。この郵便番号を使って、郵政事業庁(2006/02/04注:4/1の公社化に伴い、http://www.yusei.go.jp/にアドレスが変更されました)の新郵便日数表の検索(配達予定検索)のページで調べていただきたい。前者は普通郵便で翌日、後者は翌々日。速達でも翌日午前と翌日午後であり、明らかに前者の方が速い。直線距離からすると断然、千葉県と静岡県の方が近いはずなのに、意外な結果である。

 実は、郵便の配達日数は、局と局との間の直線距離とはあまり関係ない。郵便を出した局がどれほど都会に近いか、の方に大きく影響されるのだ。たとえば、同じ手紙を千葉県木更津市ではなくて東京都千代田区で出せばもっと早く着くから、電車通勤している都会の仕事先の近くの郵便局に出した方が早く着く、なんてことがある。


 閑話休題。「速達」と聞くと、バイク便ほどではないけれど、あたかも超特急で同日ないしは翌日に配達してくれるような印象がある。しかし本当にそうだろうか。

 先ほど「郵便日数表」で検索なさった方はもうお気づきかもしれないが、木更津〜浜松は、午後に速達を出すと翌々日午前の配達である。つまり、「どこでも同日ないし翌日」を期待してはいけないので注意が必要である。木更津〜小笠原村父島(100-2101)での速達が翌々日午後になるのは離島だからそんなものかと思えるものだが、木更津〜大島町波浮港(100-0212)は何と浜松より近くて、午前差出で翌日午前着(もっとも、船の欠航で遅れる可能性はある)。案外、わからないものだ。

 しかし、速達は普通郵便と一日くらいしか変わらないからと甘く見てはいけない。速達のメリットは、休日(日曜・祝日)でも配達されることにもあり、これは、週末に緊急に何か郵便物を送りたい時に便利である。「時は金なり」と言うが、こういう場合は270円余計に払う価値を感じるかもしれない。


 この話を書こうと思ったきっかけについて最後に書いておこう。実は、昨日日曜日までに静岡へ届けなくてはいけない郵便物があって、それを金曜午前に木更津郵便局(本局)から速達で送ったのだが、到着したのが翌日午後ではなくて翌々日(つまり日曜)午後だったのだ。丸一日遅れであるが、速達を使ったのでセーフだった。これを普通郵便で送っていたら、翌々日は日曜日なので月曜に配達されるのは確実だった。「郵便日数表」は、あくまでも目安なので、少し遅れる可能性があることを考慮されたい。