木更津が活気づいてる

(または「活気づく海岸、寂れる駅前」)

 寂れた街の代名詞的存在である我が木更津市だが、ここのところ俄(にわか)に賑(にぎ)やかになってきた。アクアラインの入口である木更津金田IC周辺は、休日ともなると他県ナンバーの車ばかりでいつも混雑していて、電光掲示板は「海ほたる 満車」の字を誇らしそうに表示している。いつもあんなに閑古鳥の鳴いているアクアラインが、まるで嘘のようだ。

 というのも、今は潮干狩シーズンなのだ。私はこれまで、木更津の重要な潮干狩場である金田海岸をホテル業者に売り飛ばしてしまった金田漁協を「勿体ない! 潮干狩こそ木更津の重要な観光資源なのに!」と思っていたが、私の悲観は見事裏切られた。ホテル三日月系列の温泉「スパ三日月 龍宮城」は確実に木更津へ客を集めているし、潮干狩場は今なお温泉利用者のために開放されている。隣で工事中のホテルも7月にはオープンする。

 尤(もっと)も、アクアラインの橋桁が潮の流れを変えたり、温泉の温排水で海の環境が変化している問題も起きているのは確かで、観光で活気づいている副作用と言えよう。また、ドラマ「木更津キャッツアイ」でも使われた、木更津駅前の市街地は急激に寂れてしまっていて、あちこちの古い建物が取り壊されて更地になってしまっている。「バーバータブチ」のセットのあった珠算塾の左側にあった「ヤスムロ」というレコード店は昔なじみの店だったが、つい最近取り壊されてしまったのはちょっと寂しい。閉店した木更津そごうの入っていたアインスビルは、どうにか生き残りをかけてがんばっているらしいが、どうも状況は厳しいと見える。