コミケに潜入せよ!(1/2)

おはよう、フェルプス君。今回の任務は
コミケに潜入せよ!
である。方法は以下の通り。

  1. お台場にある東京ビッグサイトへ行け。JR京葉線新木場駅から東京臨海高速鉄道に乗り換えるコースと、JR山手線の新橋駅から新交通ゆりかもめに乗り換えるコースがあるので、好きなコースを選べ。
  2. 到着したら会場へ急げ。
  3. 入口でパンフレットを購入し中に潜入せよ。
  4. 同人誌を出版しているサークルが無数にある。探し回り、好みの作品があったら購入せよ。
  5. また、「宅八郎のようなむさ苦しい男の集結するおたくの巣窟」という、マスコミのイメージが果たして真実かどうかも観察し、詳細に報告せよ。

 最初は恥ずかしいだろうが,それは敵の陰謀だということを肝に銘じてくれ。例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ或いは社会的に抹殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。成功を祈る。
 なお、このテープは自動的に消滅する。


 先月、オリジナル漫画作品専門の同人誌即売会である「コミティア」には行ってみたものの、同人誌即売会の代名詞的存在である「コミケ」(コミックマーケット)には一度も足を踏み入れたことのないKan-chan。しかし、「コミケはまるで宅八郎みたいな奇妙なおたくばっかり来る異様な雰囲気のところだ」、こういう噂ばっかり、うざったいほど聞いていたので、ちょっと怖いイメージがありました。しかし、似たような漫画即売会である「コミックシティ」に1回、「コミティア」に2回足を踏み入れてみたところ、「どうも私はだまされていたのではないか!」そう思うようになってきました。


 何しろ、出展者や来場者はムサイおたく男がほとんどどころか、異様なほどの女性比率の高さ! ファッショナブルでハンサム・美人な青年男女もよく見かける! ロリロリでエッチな絵の作品がほとんどどころか、健全系の正統派少年少女漫画に、健全系パロディに、猫やハムスターなど動物モノや旅行記など、多種多様なジャンルが揃っている! まさに文系サークルの文化祭といった雰囲気がぴったりだと感じたのでした。
 実は今日がコミケ第1日で、この日もいろんなサークルを回ってみようかと考えていたのですが、話によると、今日は女性作家による少年アニメ(「名探偵コナン」「るろうに剣心」など)のパロディ作品が多いとのこと。学生時代の後輩が言うには、いわゆる「やおい」と「ショタ」の日だそうです。「やおい」とはホモネタ、ショタコン(ショタ)というのはロリコンの逆だそうですが、とは言っても、それらはすべてが必ずしも性表現でのホモネタとかショタネタというわけでもないようなので、厳密には不正確な表現かもしれませんが。少女画を好んで描く男性をロリと揶揄する人が多いように、少年画を好んで描く女性をショタと揶揄しているのいうのがほとんどかもしれません。(とは言っても、一部には女性の描くえっちなホモネタ本も結構あるらしいと噂には聞くけれど)


 その話はともかくとして、この日は私の好みそうなジャンルがなさそうなので、とりあえず今日の任務は、あらかじめコミケカタログ及び電車の往復切符を入手しておくことのみとし、同人誌購入は第2日目とすることに。


 14:00頃に新木場駅に着き東京臨海高速鉄道線の、今日明日2往復分の切符を買うと、国際展示場駅へ。「コミケは非常に混んで長蛇の列ができる」と聞いていたのに、今は入退場ラッシュの時間から外れているのか、予想していたような長蛇の列どころか、列すらできておらず、会場まですんなり行けましたし、会場に着いてもそうでした。
 とは言っても、コミティアの時とは比べものにならないほどの人の多さ、多さ、多さ! 列ができてはいなくても、やっぱり人混みの多さは噂通りでした。


 しかし、宅八郎みたいなボサボサ長髪にヨレヨレトレーナーで紙かばんを持ってるフニャフニャおたく男や同じく太った脂汗男がほとんどを占めているというのは、やっぱり間違い。
確かにそういう人も見かけないこともないのは事実ですが、それとは全く対極の、髪の毛もちゃんとセットをキメて服装もイカしてるファッショナブルでハンサムな青年男性とか、服装も髪型もファッショナブルな青年女性など、外見からはどう見てもおたくになんか見えない人が、予想してたより多いのです。「いかにもおたく的」な人99%の「おたくの巣窟、東京ビッグサイト」どころか、こういう人を見かけると、新宿とか渋谷と大して変わらないんじゃないかという気になってしまいます。


 と思いきや、しかし、確かに違いはありました。一つは、ちらほらとコスプレイヤー仮装行列の役者)が歩いてること。私の見たことのないアニメの主人公らしき、魔法使いの服装をした女性とか、11ケタのウサ耳*1(これ結構気に入った!)をつけた女性とかに出くわしました。
 もう一つは、ピンクハウス*2の服を着てる女性もちらほら見かけること。「コミケピンクハウス着てくるのは決まってブスが多い」と揶揄するのを聞いたことが以前ありましたが、私の観察した限り、そんなことはないと思います。前のコミティアでも時々見かけましたが、その時は私の見かけたほとんどが、美人でうまく着こなしてた女性ばかり、今回のコミケでも、確かに「この人はちょっと似合わないなぁ」と思ってしまった人も一部にはいたものの、少なく見積もっても半分以上は結構似合ってて、思わず振り返ってしまうほどいい着こなしの人も多いもんです。そう、要は、似合う人には似合ってとてもいい!


 さて人の波に押されて会場に入ったはいいものの、コミケカタログをどこで売っているのかわからず右往左往する私。近くに会場スタッフがいたので尋ねてみると、隣の入り口近くで売ってるとのこと。早速行ってコミケカタログを購入。週刊少年ジャンプくらい厚みがあるのにはビックリ。しかし、あんなにおたくを沸かせたセーラームーンブームも過ぎたというのに、今でも背表紙がセーラームーンなのはなぜだ?(???) 理解に苦しむ……

*1:「♪携帯、PHS、11ケタ。ウサギの耳も11ケタ」という歌で、携帯とPHSの番号が10桁から11桁になることを周知させるCMに登場した、着ぐるみの兎のこと

*2:超高級婦人服ブランド。普通ピンク系や赤系を基調とし、リボンやフリルを贅沢にあしらった少女趣味なデザインで有名。